パリ · 絵画
ドラン《横たわる裸婦》
オランジュリー美術館 · パリ, フランス
アンドレ・ドランのヌード画は座った女性を描いた作品が多いのですが、このように横たわる姿を描いた作品も残しています。人物のポーズはあまり楽には見えません。ドランは常に体の線がはっきりと見えるポーズを求めており、そうしたポーズほど長く維持するのが難しいため、モデルの表情にも緊張がにじんでいます。
背景は実際の海を見て描いたものではなく、想像で構成された風景です。空・海・陸をわずか三本の線で区切り、できる限り単純に処理されており、色づかいも控えめで、見る人の視線が人物だけに向かうように工夫されています。
このようにドランは、複雑な背景や感情表現をあえて抑え、ひたすら人体の線と形にこだわりました。当時流行していたキュビスムや抽象絵画とは距離を置き、古典的な彫像のように、人物そのものが持つ本質的な美しさを追求しようとした試みが感じられる作品です。
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