ヴェルサイユ宮殿 · 28/78

パリ · 宮殿・各室

メルキュール(マーキュリー)の間

ヴェルサイユ宮殿 · パリ, フランス

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天井には、二羽の雄鶏が引く戦車に乗ったメルキュリウスが描かれている。羽根の付いた帽子とサンダル、そして二匹の蛇が巻きついた翼のある杖が共に描かれているが、伝令の神メルキュリウスは、神々の間、さらには神と人間の間の意思疎通を担うため、素早く行き来する必要があり、そのために数多くの翼を備えている。これは、ルイ14世もまた優れた意思疎通の力と外交手腕を備えていたことを象徴する絵画である。

この部屋に置かれたベッドは、ルイ14世の「公式の寝室」であった。ここは王が心地よく眠るための空間というよりも、綿密に設計されたひとつの舞台に近かった。実際、ルイ14世は夜になると、近くにある小さく居心地のよい私的な寝室へと移り、そこで本当の眠りについていた。そして毎朝早く、秘密の通路を通ってこの寝室へ戻り、あたかもここで一夜を過ごしたかのように再びベッドに横たわり、起床の儀式に備えたのである。

ここまでしたのは、貴族たちを手なずけるためであった。毎朝、貴族たちは王に挨拶を捧げなければならず、扉が開くと、身分の序列に従って次々と入室し、さりげない媚びの競争を繰り広げた。王の洗顔を手伝う役、衣服を着せる役、便器を用意する役といった雑用から、立つ位置や背もたれ付きの椅子に座れるかどうかに至るまで、あらゆる細部に差をつけ、貴族たちの間に絶え間ない忠誠心の競争を生み出したのである。快適な眠りすら犠牲にしてまで貴族を統制しようとした太陽王の周到さを垣間見ることができる空間だといえる。それでもなお、ルイ14世の本当の最後の眠りは、まさにこの部屋で迎えられた。彼が世を去った際、遺骸が安置され、貴族たちが弔問に訪れたのも、やはりこの寝室であった。

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