サント・シャペル · 15/22

パリ · 建築

エステル記と列王記 ― 10番窓・12番窓

サント・シャペル · パリ, フランス

サント・シャペル
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10番窓は、南の壁を入口側へもう一歩進んだところにあります。先ほどのユディトとヨブに続いて、この窓のテーマはエステルです。エステルは、古代ペルシア帝国で、自分がユダヤ人であることを隠したまま王妃となった女性です。王でさえ王妃の秘密を知らずにいたある日、王の側近ハマンが、帝国内のユダヤ人をことごとく滅ぼそうと企てます。エステルの前に二つの道が現れます。秘密を守って一人生き延びるのか、正体を明かして同胞を救うのか。

いちばん下には、ペルシア王の盛大な宴があり、エステルが王妃に選ばれて冠を戴きます。1段上では、悪人ハマンが権力を握り、ユダヤ人モルデカイが彼にひざまずくことを拒んだため、激怒したハマンが虐殺を企てます。4段目で、エステルは命をかけて王の前に進み出ます。ペルシアには、召されないのに王に近づけば死刑という法があったのです。玉座の王の前に立つ、冠とベールをつけた彼女を探してみてください。彼女は王に願います。「わたしの民をお救いください」。いちばん上は結末です。ハマンが、ユダヤ人を吊るすために自ら立てた絞首台に、自分が吊るされます。ユダヤ人たちは救われるのです。

頂部のティンパヌムには、小さな城の形をした紋章が2つ刻まれています。カスティーリャ家の紋章です。同胞を救った強き王妃エステルと、幼い息子とフランス王国を守り抜いた強き母ブランシュ。二人の姿を、旧約の光で重ねて読み替えたものです。

最後の側面の窓、12番窓では、ダビデとソロモンが待っています。テーマは列王記、イスラエルの王たちの物語で、とりわけダビデ王とその息子ソロモン王が主役です。5段のうち、いちばん下には、預言者サムエルの幼少期、初代の王サウルの即位、そして預言者サムエルが少年ダビデに油を注いで次の王に定める場面があります。

1段上は、この窓でもっとも有名な「ダビデとゴリアト」です。羊飼いの少年ダビデと、全身を鎧で固めた巨人ゴリアトの対決。ダビデが手にした小さな革の投石器で石を放つと、巨人が倒れます。ダビデがゴリアトの重い剣を抜いて首を落とす場面も、その上にあります。ダビデがサウルの前でハープを奏でる場面は、800年前のオリジナルです。ダビデは戦士であり、詩人であり、音楽家でもありました。彼の作った歌こそが、有名な聖書の詩編です。

中央では、ダビデに嫉妬したサウル王が彼を殺そうとし、ダビデが逃げ回ります。ダビデは洞窟で眠るサウルを殺せたのに、衣のすそを少し切り取っただけで見逃します。ダビデが女性バテシバと出会う場面も近くにあります。4段目では、サウルが戦死し、ついにダビデがイスラエルの王となります。ヘブロンで油を注がれる場面、喜びの舞を踊る場面が続きます。

最上段とティンパヌムは、ダビデの息子ソロモンの時代です。この窓で見ておきたいのは、「ソロモンの裁き」。一人の赤ん坊をめぐって二人の女性が「自分の子だ」と争うと、ソロモンは子を二つに分けるよう命じます。本当の母親は悲鳴を上げて諦め、その姿によって真実が明らかになる場面です。玉座のソロモン、二人の女性、剣を持った護衛を探してみてください。このソロモンの裁きも13世紀のオリジナルです。ティンパヌムには、ソロモンとシェバの女王、ダビデがソロモンに王位を譲る場面、ソロモンが神殿を完成させて祈る場面があります。

この窓の位置は、南側の側面で入口から2番目。先ほどご紹介した「聖遺物の歴史」の窓のすぐ隣です。偉大なダビデとソロモンの信仰と知恵が、隣の窓のルイ9世へと直結している。そんなメッセージなのでしょう。

こうして、側面の大きな窓をひととおり巡りました。人類の始まりからダビデとソロモンの王国まで、壮大な救いの歴史が壁に沿って流れていきました。残る14番窓は、このツアーのクライマックスにとっておきます。次のトラックでは、正面の後陣の窓と西のバラ窓をご覧いただきます。

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