サント・シャペル · 12/22

パリ · 建築

創世記、13番窓 ― 人類の最初のページ

サント・シャペル · パリ, フランス

このスポットの音声解説はアプリで MuseCatアプリ アプリで聴く

13番窓は、入口にいちばん近い左側の壁にあり、テーマは「創世記」です。側面の大きな窓は、入口から奥へ進むほど時間が流れるように並んでいます。人類の最初のページが入口側の最初の窓に置かれているのも、自然なことでしょう。

この窓には、13世紀のオリジナルがほとんど残っていません。オルガンの設置や隣接する建物の工事で大きく傷み、今ご覧になる絵の大部分は19世紀に描き直されたものです。そのおかげで宝探しが楽しめます。800年前の本物のガラスが、たった1点だけ残っているのです。下から上へ、5段の絵本のように読んでいきましょう。

いちばん下は世界の誕生です。神が手を上げて何かを指し示す場面が4つ並びます。初日の光と闇の分離、空と海、そして太陽と月と星の創造です。そのすぐ上には動物と人間が生まれ、眠るアダムの脇腹からイブが起き上がる場面が続きます。この場面こそ、この窓で唯一の13世紀のオリジナルです。

1段上がると、物語は暗くなります。蛇の巻きついた木の前でイブが実をもぎ、天使が二人を楽園の外へ送り出します。その上には、人類最初の悲劇、兄カインが弟アベルを打ち倒す場面があります。

窓の中央にある「ノアの箱舟」は、私たちの知る姿とは少し違います。水に浮かぶ木の箱、小さな家のような形をしているのです。ラテン語聖書で箱舟を意味する「アルカ」は、もともと船ではなく「箱」を指す言葉でした。13世紀の職人たちはこの語をそのまま読み取り、箱舟を宝箱のように描いたのです。同じ高さで箱舟を造る職人たちが手にしているのは、のこぎり、金づち、のみ。ノアの時代の道具を見たことがなかった彼らは、13世紀のパリの大工が毎日使っていた道具をそのまま描きました。ノアの箱舟を眺めながら、13世紀パリの工事現場を覗いているようなものです。

こうした時代のずれは、聖堂のあちこちにあります。ペルシアの王宮はパリの城のように描かれ、ローマ兵は13世紀の鎧をまとっています。これらの絵は聖書であると同時に、13世紀の人々の暮らしを伝える百科事典でもあるのです。

さらに視線を上げると、天に届こうと積み上げられて崩れるバベルの塔があり、その隣には、この窓でもっとも緊迫した瞬間、アブラハムが祭壇の上の息子に刃を振り上げる場面があります。神が彼の信仰を試す、あの有名な場面です。その上には、ヤコブが夢で見た、天使が上り下りする天の梯子も見えます。

いちばん上、窓の先端の三角形の部分、ヨセフの物語が結ばれる場所には、見覚えのある紋章が2つ刻まれています。小さな城の形をしたカスティーリャの城、母ブランシュ・ド・カスティーユの象徴です。

音声ガイド

作品の前で、 再生するだけ。

アプリで聴く

無料ダウンロード · iPhone

iPhoneでスキャン

← マガジン一覧へ戻る

写真 © TourLive(MuseCat の運営会社)