サント・シャペル · 7/22

パリ · 建築

外観と尖塔

サント・シャペル · パリ, フランス

このスポットの音声解説はアプリで MuseCatアプリ アプリで聴く

サント・シャペルの外観を全体で眺めるなら、少し離れて見てみましょう。

ここは、ノートルダム大聖堂やエッフェル塔のように、遠くからその威容を誇る建物ではありません。大きな裁判所の建物のあいだに、はにかむように収まっている印象で、パリの人々はここを「パリの隠れた宝石」と呼びます。ひっそりしているのには理由があります。800年前、ここはカペー朝の王たちが暮らした広大な王宮、パレ・ド・ラ・シテの中心にある、王の私的な礼拝堂でした。パレ・ド・ラ・シテは1370年まで、フランス王の正式な住まいでした。14世紀後半に王たちがルーヴルやヴァンセンヌへ移ると、王宮の一部は牢獄のコンシエルジュリーに、一部は裁判所になります。それでもサント・シャペルだけは神聖な場所として手を付けられず、そのまま生き残りました。

建物は細長く、天に向かって尖っています。一般的な礼拝の場としてではなく、ひとつの宝物を納めるための「ケース」として設計されたからです。側面にも注目してください。ゴシック聖堂は通常、重さを支えるために、外側に重厚な控え壁、つまりフライング・バットレスを幾重にも取り付けます。ノートルダムやシャルトル大聖堂では、長い蜘蛛の脚のような控え壁が四方に伸びています。ところがサント・シャペルには、それがほとんどありません。ごく細い控え壁がそっと添えられているだけです。「石は減らし、光は最大限に取り入れる」。この原則ひとつで建てられた建物だからです。

さあ、顔を上げて、そびえ立つ尖塔を見てください。地上から約75メートル、25階建てのビルに相当する高さのこの尖塔には、面白いエピソードがあります。ある人物の自画像が刻まれているのです。

この尖塔は13世紀のオリジナルではなく、実は5代目の尖塔です。初代がどんな姿だったかを示す記録は残っていません。2代目は1383年、シャルル6世の時代に建てられ、その姿は彩色写本『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』に描かれ、現代に伝わっています。3代目は1460年頃に建てられ、4代目は大火で倒壊したあとに再建されましたが、1793年のフランス革命で崩れ落ちました。今ご覧になっている5代目は、19世紀の修復によるもので、1852年に着工し1855年に完成した、建築家ジャン=バティスト・ラシュスの作品です。珍しいことに、石ではなくシダー材で造られています。軽く、風雨にも強い素材です。

尖塔をよく見ると、小さな彫像が連なって下りてきます。ラッパを吹く天使たちの下に12使徒が一人ずつ立っていますが、このうち2人は実は本物の使徒ではありません。尖塔の土台部分の彫刻をデザインした画家ルイ・シュタインハイルが、自分の顔をこっそり紛れ込ませたのです。しかも1度ではなく2度。聖トマスと聖バルトロマイ、この2人の顔はどちらもシュタインハイル本人だと伝えられています。

それでは、正門の前でもう少しだけお待ちください。

音声ガイド

作品の前で、 再生するだけ。

アプリで聴く

無料ダウンロード · iPhone

iPhoneでスキャン

← マガジン一覧へ戻る

写真 © TourLive(MuseCat の運営会社)