サクレ・クール寺院 · 3/5

パリ · 建築

サクレクールの内外観と見どころ

サクレ・クール寺院 · パリ, フランス

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聖堂に入ると、館内のスタッフが見学ルートを案内してくれます。前の人に続いて聖堂をぐるりと一周する方式なので、自由に行き来することはできませんが、内部は複雑ではなく、ゆっくり一周すれば主な見どころを順に見られるようになっています。追加料金を払えばドームに上り、さらに素晴らしい市街の眺めを楽しむこともできます。

サクレクールでもっとも重要な空間のひとつが、アプス(後陣)です。聖堂に入ると、両脇に礼拝空間があり、長い廊下のように伸びる部分がありますね。これを身廊(ネイブ)といい、その突き当たりを半円形に仕上げた空間がアプスです。礼拝と聖体の儀式が行われるこの場所が重要なのは、モザイク画があるからです。1900年から22年をかけて完成したこの大作は、イエスの栄光を描いた475平方メートルの規模で、リュック=オリヴィエ・メルソンが設計し、モザイクの工房が制作した、世界最大級のモザイク画のひとつに数えられます。白い衣をまとい、両腕を広げて黄金の心臓を示す昇天したイエスを中心に、フランスの守護聖人たち、聖母マリア、聖ミカエル、ジャンヌ・ダルク、フランスを擬人化した女性、そして教皇レオ8世が描かれています。三位一体は、モザイクの2段目に描かれています。モザイクの下部にはラテン語で、この聖堂がフランスからイエスの聖心に捧げられたものであることを記した一文があり、「イエスの聖心の前で、フランスは熱烈に、悔い改めつつ、感謝をささげます」という意味です。最後の「感謝」という言葉は、第一次世界大戦後に付け加えられたといわれています。

内部装飾でとくに印象的なのが、ステンドグラスです。さまざまな大きさの色ガラスを鉛の枠にはめて作るステンドグラスは、ヨーロッパ、とりわけフランス北部で大きく発展し、名だたる聖堂を巡る理由のひとつに挙げられるほど、手をかけて美しく作られています。サクレクールのステンドグラスは1903年から1920年にかけて制作・設置され、1944年に爆撃で破壊されたのち、1946年に復元されたものです。聖堂のあちこちには、現代的なデザインのガラス窓もあります。抽象画家モンドリアンの影響を受けたかのような、いくつもの四角形と不規則な直線のスケッチを思わせるデザインは、古典的な建築美を誇るこの聖堂とは少し異質で、目を引きます。

アプスと向かい合う大きなオルガンも、振り返って見てみましょう。サクレクールのオルガンはアリスティド・カヴァイエ=コルの作品で、1898年に南フランスのビアリッツにあったアルベール・ド・レスペ伯爵の個人所有のオルガンとして製作され、1919年に聖堂の所有となって移されました。4段の鍵盤、109のランク、78のストップ、61音の手鍵盤と32音のペダル鍵盤を備えた大型オルガンです。奏者が多彩に表現できるよう工夫された、当時としては非常に先進的な構造で知られ、1981年にフランスの国定記念物に指定されました。もとの機械式の構成を今も保っており、定期的に修復が行われていますが、経年による劣化がかなり深刻で、世界中からオンラインで集めた基金を復元に充てているそうです。サクレクールは永久聖体礼拝に捧げられた、静かな祈りの場であるため、オルガンコンサートは開かれません。オルガンは日曜のミサと夕べの祈りのときを除いて演奏されず、年に1度、クリスマス・イブの夜にだけコンサートがあります。

聖堂の外の別の入口から下りる地下納骨堂は、現在、安全上の理由で閉鎖されています。内部を見学したあとは、代わりにドームに上ることができますが、約300段の階段を上るしかありません。ドームと地下の入口は、どちらも聖堂の左側に出ると見つかります。地下には、枢機卿たちの墓や記念碑、聖堂建立を誓ったアレクサンドル・ルジャンティの心臓を納めた骨壺、バジリカの礎石、二度の世界大戦で命を落とした聖職者のための記念碑、聖家族に捧げられた小さな礼拝堂などがあり、聖堂に寄贈・献上された数多くの宝物も保管されています。中央ドームは、キーストーンの高さが54.94メートル、直径16メートル。サクレクールといえば思い浮かぶ大きな軸をなし、晴れた日には最大30キロ先まで見渡せる眺望が自慢です。

鐘楼には、世界最大級の鐘があります。サクレクールの鐘は、大きな鐘5つと小さな鐘4つ、そして非常に大きな鐘1つで構成されています。聖堂の建設期間中、フランス各地から多くの人々が資金や資材を寄付しました。アルプス地方のサヴォワからは、パカール社がアヌシーで鋳造した直径3メートルの巨大な鐘が贈られました。サヴォワで作られたことから「ラ・サヴォワヤルド」と呼ばれ、正式名称は「フランソワーズ・マルグリット」です。この鐘は1895年に、数十頭の馬がモンマルトルの丘の頂上まで運び上げたもので、重さ19.685トンはフランスで最も重く、ヨーロッパでは5番目に重い鐘です。これより大きいものには、ケルン大聖堂の鐘、ロンドンのオリンピック・ベル、イタリア・ロヴェレートの鐘、オーストリア・ウィーンのプンメリンがあります。サヴォワヤルドは復活祭などの主要な宗教行事の日に鳴らされ、10キロ先まで音が届くといわれます。長い間ひび割れもなく姿を保ってきましたが、1999年に初めて小さな亀裂が見つかりました。一般には公開されておらず間近で見ることはできませんが、宗教行事の日に近くにいれば、その深い響きを耳にできるでしょう。

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