パリ · 街歩き
ジヴェルニー、モネの庭を訪ねて
パリ · パリ, フランス
ジヴェルニーは、フランス・ノルマンディー地方にある小さな村で、クロード・モネの代表作『睡蓮』が生まれた場所です。モネが1926年に亡くなるまで43年間暮らした家と庭で知られています。モネは印象派を創始した画家のひとり。「印象主義」という言葉そのものもモネに由来し、1874年、モネの絵『印象、日の出』を見た批評家が、からかうような口調で彼らをそう呼び始めたのが始まりといわれます。印象派は、光によって移ろう自然を描くことを大切にしました。モネは、ひとつのテーマを何枚も描く連作によって、同じ対象が光でどう変わるかを見事に表現しました。『睡蓮』もその連作のひとつで、その数は250点余りにのぼります。
ガイドはジヴェルニーを4、5回訪れていますが、行くたびに素晴らしいと感じるそうです。これまでの人生で見た花のなかで、最も多くの種類を見たのがジヴェルニーで、こんな環境で暮らしていたなら、あれほど温かい絵しか描けなかっただろうと思ったといいます。モネの庭に座り、柳の葉が揺れ、睡蓮が浮かぶ景色をただ眺めていると、別世界に来たように心が静まり、一日中でもそうしていられそうな気がするとのこと。観光が目的の旅行者も多い一方、旅を通じて考えを整理したい人も多く、そんな方にぴったりの場所です。ただし、開園期間は3月中旬から10月末までなので、その間にしか訪れられません。
パリ近郊の旅では、モネの村ジヴェルニーと、ゴッホの村オーヴェル=シュル=オワーズをセットで巡る人が多くいます。オーヴェル=シュル=オワーズではゴッホへの哀れみのような気持ちが湧く一方、モネの家を見ると、うらやましさを感じるとか。家の中もとても上品で、庭と池の規模は、個人の家としては途方もない大きさです。ふたりの巨匠の人生があまりにも対照的で、少し切なくなったそうです。
ジヴェルニーへ行く前にオランジュリー美術館で『睡蓮』を観ておくとよりよく、帰ってから訪れても新鮮な気持ちで楽しめるでしょう。『睡蓮』を観るなら、オランジュリーは外せません。美術に興味がない方や、美術館を巡る時間がない方も、オランジュリーだけでも行く価値があり、1時間あれば十分に観られます。あまり知られていませんが、モネの作品を集めたマルモッタン美術館もあります。規模は大きくありませんが、モネが好きなら見逃せません。『睡蓮』をはじめ、数々の作品が展示されています。
ジヴェルニーへは、パリのサン・ラザール駅から電車に乗り、ヴェルノン=ジヴェルニー駅へ。所要時間は1時間ほどです。電車のチケットは、前日か前々日までに予約しておくのがおすすめ。駅からはシャトルバスか小さな観光列車に乗って20分ほど。ガイドのおすすめは、観光列車です。運行本数が少ないので、必ず時間を確認してください。ジヴェルニーでは、モネの家と庭だけを見て帰る方が多いのですが、村も静かで散策に向いているので、道の突き当たりにある教会まで足を延ばしてみてください。その教会にはモネの墓があり、ほとんどの人は知りません。ぜひ探してみてください。


