パリ · 街歩き
知っておきたいフランスの食事マナー
パリ · パリ, フランス
フランスのレストランは、最初は少しもどかしく感じるかもしれません。注文を取りに来るのにも、料理が出てくるのにも、お会計にも時間がかかるからです。ガイドも、テーブルで会計するお店では、会計を頼んでから終わるまで最低20分は見込んでいるそうです。しかも、レジで払うお店より、テーブルで払うお店のほうがずっと多いのです。お店に入ったら、入口で待って席に案内してもらうのが基本。スタッフが人数を確認してから、席へ通してくれます。また、フランスのマナーでは、大声でスタッフを呼んだり、手を高く挙げたりするのは失礼とされています。目を合わせるか、来てくれるのを待つのが基本ですが、あまりに待たされるときは、そっと手を挙げる程度なら大丈夫です。
フランスの人々は、食事に時間をかけます。食卓は会話を楽しむ時間であり、心を込めて作られた料理をゆっくり味わうことがシェフへの礼儀だと考えられているそうです。手早い食事に慣れていると戸惑うこともあるかもしれませんが、せっかくフランスに来たのですから、一度はゆったりとした食事を楽しんでみてはいかがでしょう。
続いては、「アペリティフ」、略して「アペロ」の文化です。ひとことで言えば、食前酒のこと。フランスには、夕食の前にウイスキーやマティーニ、ワイン、ビールなどを1杯楽しみ、ナッツやポテトチップス、オリーブといったおつまみをつまむ習慣があります。飲む前に軽くグラスを合わせるのが一般的で、フランスでは乾杯のとき、必ず相手の目を見ます。グラスを合わせながら「サンテ」または「チンチン」と声をかけましょう。アペロには食欲を引き出す役割もありますが、本来の目的は、ぎこちない空気をほぐし、よい雰囲気を盛り上げることだとか。アペリティフという言葉もラテン語に由来し、もとの意味は「開く」。場の雰囲気と食欲、両方を開いてくれるという意味合いなのかもしれません。反対に、食後に飲むお酒を「ディジェスティフ」といい、強いお酒で消化を助けるのが目的です。
食事にまつわる、ちょっと面白い迷信もご紹介します。ひとつめは、塩の入れ物を床にこぼすと不幸が訪れるというもの。中世、塩は悪い呪いや運命を追い払うために使われ、友情や歓迎の象徴でもあったそうです。ふたつめは、食卓でパンをひっくり返してはいけないというもの。中世、パン職人が死刑執行人のパンをほかの人のパンと区別するために裏返して置いていたことから、裏返しのパンは死を象徴するようになったといわれます。最後は、13という数字。西洋では縁起の悪い数字とされ、1つのテーブルに13人が座ると不幸を招くと考えられています。そのため、フランスの人々は家に客を招くとき、13人になるのを避けるそうです。迷信はあくまで迷信。話の種として楽しんでください。フランス文化を知るヒントになれば幸いです。


