パリ歴史散歩 · 6/18

パリ · 街歩き

サント・シャペルとコンシエルジュリー

パリ · パリ, フランス

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サント・シャペルは、13世紀にルイ9世が両親を偲び、キリストの荊冠をはじめとする聖遺物を納めるために建てたゴシック様式の聖堂です。ノートルダムがフランスのアイデンティティを物語る聖堂だとすれば、サント・シャペルはより宗教的な側面に重きを置いています。ルイ9世はジャンヌ・ダルク、ナポレオンと並ぶフランスの偉人のひとりで、カトリックの国フランスで「聖人」とされた人物です。父が亡くなった十字軍に二度も参加し、遠征中に亡くなったほど信仰に厚い王でした。

サント・シャペルはノートルダムと違って有料で、ミュージアム・パスでも入場できます。入場料が気になる方や、聖堂にあまり興味がなくて迷っている方にも、ぜひ中へ入ることをおすすめします。バルセロナのサグラダ・ファミリアやセビリア大聖堂など、ヨーロッパの美しい聖堂をたくさん見てきたガイドも、サント・シャペルほど美しい場所はないと感じたほどで、入場料を払う価値は十分にあります。入場されない方のために参考画像も用意しています。

1階に入ると、ごく普通の聖堂に見えるかもしれませんが、本当の見どころは2階にあります。入ってきた方向の左手に狭い階段があるので、気をつけて上ってください。到着する直前まで顔を伏せておき、上がったところで一気に見渡すと、感動がいっそう大きくなります。バラ窓を背にして立つと、左右に5枚ずつ、中央の半円形の壁面に5枚のステンドグラスが見えます。左端の1枚目から右端の最後の1枚まで、旧約聖書の創世記からイエスの生涯を経て、13世紀当時までの教会の歴史が描かれています。なかでも注目したいのが、いちばん最後の窓です。

この窓には、肩に何かを担いで進む人物がいます。サント・シャペルを建てたルイ9世本人で、聖遺物を受け取ってパリへ運んでくる場面が描かれています。自分の姿を窓に刻むことで、ルイ9世は、創世記から続くキリスト教史の主役であり、キリストの受難にまつわる聖遺物を守り抜いた守護者として自らを示しました。カトリックの力が強かったフランスで宗教的権威を高め、王権を強める結果にもつながりました。「聖人」となったルイ9世の遺骨も、ここに納められていました。当時は聖遺物箱を建築物の形につくるのが流行しており、華やかであるほど神聖さが増すと信じられていたのです。天国に入ったかのように美しいサント・シャペルそのものが、ルイ9世の聖遺物箱としてつくられた、という解釈があります。こうしてフランスの王たちは、王朝の神聖さと、神に選ばれた王の姿を示し、強大な王権を手にしたのです。

お手洗いが必要な場合、コンシエルジュリーにもありますが、入らない方は、最初に荷物検査を受けて入った場所の左側にあります。次の目的地のコンシエルジュリーは、サント・シャペルのすぐ隣です。

コンシエルジュリーは、もとはフランス王たちのための最初の王宮であるシテ宮殿でしたが、14世紀から監獄として使われ、フランス革命のときには約1,200人が収監されました。マリー・アントワネットが幽閉された場所としても知られています。シテ島の対岸から見ると、円錐形の屋根がかわいらしく見えますが、恐ろしい歴史を秘めています。サント・シャペルと同じく有料で、ミュージアム・パスで入場できます。時間がない方や歴史にあまり興味のない方は、思い切って見送るのもよいでしょう。

内部では、監獄として使われていた当時の様子が見学できます。看守が囚人を見張っていた部屋、実際に牢として使われた空間、食堂が公開されています。興味深いのは、当時の監獄が有料で、設備が分かれていたことです。下の階は貧しい人々が使う場所で、藁を敷いた床で眠り、用を足すという劣悪な環境でした。一方、裕福な囚人向けの上の階には、ベッドのある比較的快適な部屋がありました。2階には、マリー・アントワネットが実際に収監された部屋もあります。このほか、囚人が拷問を受ける場面やギロチンなど、当時の様子が展示されており、2か月間収監されたマリー・アントワネットが使った編み針、靴、衣服なども、長い年月を経たとは思えないほどきれいに展示されています。ルイ16世とマリー・アントワネットを追悼するために造られた礼拝堂もあります。入場すると、過去の様子を映しながら解説してくれるタブレットを借りられ、多言語に対応しています。活用すると、より充実した見学になるでしょう。

見学のあとはポンヌフへ向かいます。道はどちらでもかまいませんが、出口から左へ進むと、パリ最初の壁掛け時計も見られます。ポンヌフにはお手洗いがないので、先に済ませておくのがおすすめです。

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写真は ウィキメディア・コモンズ より。撮影:Didier B(CC BY-SA 2.5)。

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