パリ名所めぐり · 2/32

パリ · 街歩き

ノートルダム大聖堂の内部 ― バラ窓とジャンヌ・ダルク

パリ · パリ, フランス

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聖堂に足を踏み入れると、すぐに重厚で敬虔な空気に包まれます。ゴシック建築の特徴をそのまま体現した、高く伸びるアーチ形の天井、薄暗がりの中でも輝くステンドグラス、そして堂内を埋め尽くす数多くの彫像。外から見るよりもずっと大きなスケールに目を見張ったら、反時計回りに見学を始めましょう。

右手に並ぶいくつもの礼拝堂を過ぎて祭壇のある中央付近まで進むと、大きなバラ窓が2つ現れます。右が南のバラ窓、左が北のバラ窓です。南のバラ窓は反対側から見たほうがよく見えるため、まずは北のバラ窓を眺めることになります。バラ窓をはじめとするステンドグラスは、もともと中東のイスラム建築で多く用いられていた色ガラスの窓に由来します。イスラムの様式がヨーロッパに伝わるとともに色ガラスの技術も広まり、ちょうどゴシック建築が花開いた時期と重なって共に発展しました。ゴシック様式は大きな窓をたくさん設けられる構造だったため、ステンドグラスはその代表的な特徴として定着したのです。数あるゴシックの聖堂の中でも、ノートルダム大聖堂のステンドグラスはバラ窓で特に有名で、直径13.1メートルとヨーロッパ最大級と言われています。バラ窓にはそれぞれ聖書の人物が描かれています。北のバラ窓は中央に聖母マリア、その周りに旧約聖書の人物たち。南のバラ窓は中央にイエス、その周りに十二使徒や聖母マリアなどの聖人たちが描かれています。

バラ窓を堪能したら、祭壇の裏へ回る前に、南のバラ窓のすぐ下にあるジャンヌ・ダルクの像を探してみてください。ジャンヌ・ダルクは、フランスとイングランドの百年戦争が終わりに近づき、フランスがいっそう荒廃していた時代に、彗星のごとく現れた人物です。天使のお告げを受けたという幼い少女によって、フランスの兵士や民衆の心に残っていた愛国心が再び燃え上がり、フランスは戦争を勝利へと導くことができました。こうしてジャンヌは「勝利の女神」と呼ばれるようになります。彼女はさらに、シャルル7世を即位させて王にまでしました。ところが王となったシャルル7世は、高まるジャンヌの人気をねたみ、次第に彼女の言葉に耳を貸さなくなったと伝えられています。その後、イングランド軍が再び攻めてくると、ジャンヌはシャルル7世の助けを得られないまま単独で戦いに向かい、敗れてイングランド軍の捕虜となります。イングランド軍は身代金を払えば解放すると持ちかけましたが、シャルル7世は彼女の存在を快く思っておらず、応じなかったと伝えられています。こうして彼女は何度も裁判にかけられ、神のお告げに従って行動したという自らの言葉が仇となり、魔女として火刑に処されました。そのときわずか19歳だったといいます。火刑を前にしても、彼女は神のお告げを否定しませんでした。百年戦争が終わり、イングランド軍が完全に撤退したのちに、ようやくシャルル7世はジャンヌの魔女の嫌疑を晴らしました。現在の彼女は、フランスを代表する聖女であり、強い女性の代名詞、フランスを救った女傑、神のお告げで世界を変えた人物として敬われています。ジャンヌ・ダルクの像の前では、まさにこのノートルダム大聖堂で彼女の名誉回復裁判が開かれたことを、ぜひ思い出してみてください。

祭壇の裏手へ進むと、聖遺物の宝物館の入口があります。大聖堂に所蔵される聖遺物が展示されており、中でも最も重要なのは、イエスの十字架の断片と茨の冠です。祭壇の裏を回り、聖堂の反対側までぐるりと歩いて堂内を見て回りましょう。外に出る前に、聖堂奥の上方を見上げると、もうひとつのバラ窓があり、その下には巨大なパイプオルガンが据えられています。フランスにあるパイプオルガンの中で最大の規模を誇り、パイプの数はなんと8,000本。オルガンコンサートが開かれる日やミサでのオルガン演奏の時間には、豊かで澄んだ響きを聴くことができます。見学を終えたら聖堂をあとにして、次の目的地コンシエルジュリーへ向かいます。

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