パリの教会めぐり · 22/33

パリ · 建築

サン=シュルピス教会

パリ · パリ, フランス

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教会前広場の噴水のそばでも、教会へ続く階段でも、お好きな場所に腰掛けてじっくり眺めたい教会です。外観、関連エピソード、内部、道案内の順にご紹介します。

■ 西ファサード まず目を引くのは、正面に構える巨大で重厚な西ファサードです。上下で柱の様式が異なる2層構造に二つの鐘楼を備えた古典主義様式で、ロンドンのセント・ポール大聖堂に着想を得たといわれています。

二つの鐘楼は形も高さも異なります。本来の計画どおりに造られたのは、装飾が豊かで華やかな、高いほうの左の塔です。その差はなんと5メートル。右の塔は資金難のため未完成のまま残されました。中央の入口上にある半円形の木製パネルには、ごくかすかに文字が残っています。「フランス人民は至高の存在と魂の不滅を認める」という革命政府のスローガンで、フランス革命の名残です。

■ サン=シュルピス広場の噴水 教会に背を向けると、聖職者4人の像が立つ噴水があります。この四人のうち誰ひとり枢機卿になれなかった、という冗談が語り継がれています。教会の中から、扉と柱の間越しに噴水が見える眺めも素敵です。

■ 南面・東面の外観 教会に向かって右へ回ってみましょう。サン=シュルピス教会はパリで2番目に大きい教会で、側面を歩くとその規模が実感できます。西ファサードが古典主義なら、側面と後部、そして内部ではバロック様式が見られます。サン=ジェルマン=デ=プレ教会でも見たフライング・バットレスと後陣もあります。二段に並ぶ高い窓のうち、上は採光窓、下は貴族やギルドの家系の礼拝堂の窓です。十字架の横軸にあたる翼廊には教会への入口があり、石の装飾が見事な北の扉は、ドラクロワの壁画に最も近い場所です。

■ ダ・ヴィンチ・コード ダン・ブラウンの小説と映画のおかげで、聖杯の秘密が隠された謎の舞台として世界的な観光地になりました。夜更けに緊迫した潜入シーンが描かれたのがこの教会ですが、実際の撮影は教会ではなくセットで行われたといわれています。

作中の重要な手がかりとして登場するグノモンとオベリスクもお見逃しなく。床に引かれた真鍮の線のグノモンは、実は天文観測装置。春分と冬至を測り、復活祭の日付を計算するのに使われました。イギリスのグリニッジ天文台の子午線が時間の基準になるまでは、パリ子午線がその役割を担っていました。オベリスクもまた、太陽の位置を測る装置でした。追跡シーンの舞台となった身廊中央や、シスター・サンドリーヌが隠れてサイラスの行動を見張っていた祭壇上方の聖歌隊バルコニーもチェックしてください。

■ 教会の内部 聖体礼拝堂の壁画はフレスコ画ではないため、色彩が鮮やかで、筆づかいまで間近に感じられます。聖母礼拝堂では、ピガールの聖母像に出会えます。隠れた窓から差し込む自然光が、静かで神秘的な雰囲気を醸し出しています。入口の貝殻形の聖水盤も、彼の作品です。

天井画はフランソワ・ルモワーヌの作品。名前も作品も、どこかで見たような気がしませんか? サン=トマ=ダカン教会ですでに出会っているからです。グノモンの隣にある主祭壇と聖歌隊席は、巨大な後陣に置かれているため、いっそう壮麗に見えます。強い遠近法で視線が集まる空間で、コリント式の柱と放射状に広がるアーチのリブ・ヴォールトがその効果を生んでいます。祭壇両脇の彫像は、使徒と教会の聖人たちです。それぞれが手に持つ持物(アトリビュート)から、誰なのか当ててみましょう。

最後に振り返って、入口上の大オルガンをご覧ください。製作当時の姿をほぼそのまま保つカヴァイエ=コルのパイプオルガンです。世界的なオルガニストも訪れる、パリで最大のオルガンです。高い天井と大きな空間のおかげで、演奏が始まると音が教会全体を包み、オーケストラのように多彩な音色が響きます。夜には特別コンサートが開かれることもあるので、機会があればぜひ聴いてみてください。詳しくは[旅行前に聴く:これだけは知っておこう!聖地巡礼のコツ]をご参照ください。

■ 次の目的地へ サン=シュルピス教会は、宗教、建築、美術、音楽、科学のどれもが揃う場所です。次の目的地はリュクサンブール公園。教会に向かって右へまっすぐ進むと、リュクサンブール美術館とアンジェリーナのカフェが見えてきます。ここからがリュクサンブール公園です。アプリ内の地図を参照してください。所要時間は約2分です。

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写真は ウィキメディア・コモンズ より。撮影:Diliff(CC BY-SA 3.0)。

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