オルセー美術館 · 76/82

パリ · 絵画

苦痛は過ぎ去るが美は残る、ルノワール『ピアノを弾く少女たち』

オルセー美術館 · パリ, フランス

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ルノワールの後期作品に属するこの絵には、初期印象派の特徴がほとんど見られない。ローマ旅行で古典主義に深く感銘を受けて以来、画風が大きく変化したためである。

絵の中の二人の少女は明るく笑いながら楽しそうにピアノを弾いている。当時ピアノは富の象徴であったため、この家が裕福な家庭であることがうかがえる。実際ここはルノワールの友人アンリ・ルロルの家で、二人の少女は彼の娘たちだ。週末に友人の家を訪れた際に目にした、パリの上流家庭の日常をキャンバスに収めたというわけである。

華やかなパステルトーンで描かれたこの絵とは対照的に、当時ルノワールはリウマチ性関節炎が悪化し、筆を握ることすら苦痛を伴う状態だった。それでも彼は指の間に筆を挟み、紐で縛り付けて絵を描き続けた。ルノワールの後期作品はすべて、こうした痛みを乗り越えて完成されたものである。ある友人が、なぜそこまで苦しんでまで絵を描くのかと尋ねたところ、ルノワールは「苦痛は過ぎ去るが、美しさは残る」という有名な言葉を残したと伝えられている。

この絵にはもう一つ、特別な経緯がある。フランス初の国立近代美術館であるリュクサンブール美術館から絵の依頼を受けたことだ。陶工として美術を始め、アカデミーやサロンでは大きく評価されなかったルノワールにとって、国立美術館からの依頼は非常に大きな出来事だった。彼は全力を尽くして制作に取り組み、どの絵が選ばれるか分からなかったため、ほぼ同じ構図でわずかに雰囲気を変えた絵を合計六点描いた。そのうちの一点が選ばれ、当時の金額で4000フランでリュクサンブール美術館に売却されたが、それがまさに今見ているこの作品である。4000フランは当時としては大金で、ルノワールはこのお金でパリから車で2時間40分ほど離れたエッソワに一軒の家を購入できたほどだった。当時描かれた残りの作品のうち、一点はパリのオランジュリー美術館に、もう一点はニューヨークのメトロポリタン美術館にあり、残りは個人が所蔵している。

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