パリ · 絵画
光の画家が描いた最も暗い絵、モネ『カミーユの臨終』
オルセー美術館 · パリ, フランス
「光の画家」という異名にふさわしく、モネの絵の大半は明るい光に満ちている。しかし彼が残したわずかな暗い絵の中の一つが、まさにこの作品である。
カミーユはモネと出会い、若くして妊娠したことで、両家から祝福されないまま結婚生活を始めなければならなかった。のちにモネは裕福になるが、この時期はまだ二人とも極貧の暮らしだった。そうした中でカミーユは結核にかかって世を去ったとも伝えられている。暮らしが少しずつ上向こうとしていた矢先に、病に冒され死にゆく妻を見守らなければならなかったモネの胸中は、察するに余りある。結局カミーユは死を迎え、モネは彼女の最後の姿を永遠に画布に残しておこうと、臨終の瞬間を見守りながらこの絵を描いた。
この絵がモネにとって特別な意味を持っていたことは、絵の右下に残されたサインからもうかがえる。いつもとは違い、この絵にだけサインの横に小さなハートの形が添えられている。
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