パリ · 絵画
同じ時代に生まれた、正反対の絵画 — 新古典主義とロマン主義
オルセー美術館 · パリ, フランス
ツアーはオルセー美術館0階の1番の部屋から始まる。この部屋には新古典主義とロマン主義の作品が展示されているが、それには理由がある。ルーヴル美術館で時代順に見られる最後の作品が、まさに新古典主義とロマン主義の作品だからだ。ルーヴルを見てからオルセーを訪れる人が、美術史の流れを途切れさせることなく続けて鑑賞できるよう配慮した構成なのである。ちなみにパリを訪れるなら、ルーヴル、オルセー、ポンピドゥーの順で巡ることをおすすめする。古代の遺物から19世紀初頭まではルーヴルで、19世紀中頃から後半はオルセーで、20世紀以降の現代美術はポンピドゥーで見れば、美術の流れを最初から最後まで通して鑑賞することができる。
新古典主義とロマン主義は同じ時代に流行したが、互いに正反対の性格を持つ様式だ。
新古典主義が生まれた背景には三つの流れがある。貴族の贅沢の代名詞だったロココ様式が、フランス革命とともに姿を消すと、その反動として新古典主義が定着した。また当時イタリアでポンペイとヘルクラネウムの遺跡が発掘され、考古学への関心が高まったこと、そして世界各地への旅行が可能になり、古代ギリシャ・ローマ美術が再び注目を集めるようになったことも背景にある。新古典主義以前にすでにギリシャ・ローマ美術を受け継いだルネサンスがあったため、新たなルネサンスという意味で「新古典主義」と呼ばれるようになった。絵画の題材は主にギリシャ・ローマ神話や歴史であり、均整と調和を重んじるのが特徴だ。
一方ロマン主義は、理性と合理性を前面に押し出した啓蒙主義思想への反発から、感情と情緒を重んじる流れの中で生まれた。産業革命によって美術市場が拡大し、画家の社会的地位が向上したことで、注文された絵ではなく自分が描きたい絵を描いても売れる環境が整ったことも背景の一つだ。さらにフランス革命後に期待されたばら色の未来とは裏腹に、新たに権力を握った層も以前と変わらない振る舞いを見せたため、市民が感じた無気力感や虚しさもロマン主義誕生に影響を与えた。人間の感性を重視するだけに、ロマン主義の絵画は感情的で激情的な雰囲気を帯びている。