パリ · 絵画
不都合な真実を描いた罪、ミレー『落穂拾い』
オルセー美術館 · パリ, フランス
ミレーが10年にわたり落穂拾いを研究し、完成させた作品である。舞台はバルビゾンのある畑で、収穫を終えた後、地面に落ちた穂を3人の女性が拾い集めている。彼女たちは農民ではなく、自分の土地を持たないために他人の畑にこぼれた落穂で食いつないでいた貧しい人々だ。
右側で中腰に立つ女性の腰の袋は空っぽで、後方に高く積まれた穀物の山と対比されることで、見る者に切なさを感じさせる。ミレーは、かがむ姿勢、拾う姿勢、再び立ち上がる姿勢と、3人の女性をそれぞれ異なる動作で描き、この労働がいかに過酷なものであったかを表現した。
かつては、収穫後に残った落穂を地主が貧しい人々に拾わせておくことが、一種の善行とされていた。しかしミレーがこの絵を描いた19世紀半ば、産業革命によって都市が発展し、パリ近郊バルビゾンの穀物が急速に売れていく中、わずかでも利益を増やそうとする地主たちが落穂拾いを禁じたり、お金を取るようになった。当然ながら、地主たちへの評判が芳しくない時期だった。
こうした空気の中でミレーがこの絵をサロン展に出品すると、ブルジョワジーや批評家たちから激しい批判が浴びせられた。貧富の差を批判する絵のように見えたからだ。以前にも農民を描いた画家はいたが、多くは美しい農村風景を背景としていたのに対し、ミレーは農村の現実をありのままに描き出した。絵を鑑賞する余裕があった当時の来場者の多くが中産階級以上であったこともあり、この不都合な真実は歓迎されず、一部ではミレーが政治的意図を持って描いたのだと非難する声も上がった。
しかしミレーは政治的メッセージを込めようとした画家ではなく、フランスの農村を最も写実的に描き出した画家にすぎなかった。この作品は現在も世界各地へ頻繁に貸し出されており、2016年にはソウル芸術の殿堂ハンガラム美術館で約6か月間展示されたこともある。