オルセー美術館 · 55/82

パリ · 絵画

二つの服、二つの文化、ゴーギャン『タヒチの浜辺の女たち』

オルセー美術館 · パリ, フランス

オルセー美術館
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絵には二人の女性が登場する。左側の女性はタヒチ先住民の伝統衣装であるパレオを身につけており、右側の女性はヨーロッパの宣教師たちが持ち込んだピンク色のワンピースを着ている。ノースリーブで涼しげなパレオは熱帯気候にふさわしい服装だが、宣教師たちが持ち込んだワンピースは島の気候に合わないばかりか、女性の体を隠すべきだという宗教的な観念から、全身を覆う形になっている。そのためかこの服を着た女性は、ことさら窮屈そうに見える。ゴーギャンはこのように伝統衣装と外から持ち込まれた衣装を身につけた二人の女性を並べて描くことで、既存の文化と新しい文化が共存するタヒチの姿を表現した。

オルセーにはこの絵のほかにも、ゴーギャンがタヒチを舞台に描いた作品が複数所蔵されている。ゴーギャンは1889年のパリ万博で、南太平洋から渡ってきた異国情緒あふれる品々に初めて触れ、それ以来、鬱蒼とした密林に囲まれた新しい文化圏で暮らしたいという強い憧れに取り憑かれた。結局彼はパリでの生活を切り上げ、当時フランスの植民地だった南太平洋のタヒチへと旅立ったが、それは船で二か月もかかる長い旅程だった。ようやく辿り着いたタヒチは、彼が思い描いていたのとは異なり、すでに植民地化が進んで白人であふれており、ゴーギャンは大きく失望した。とはいえパリに戻ることもできなかったため、彼は結局タヒチに定住することになる。

そこでゴーギャンは、当時十三歳だった現地の少女テハマナと共に暮らし始めた。これは今日の基準では明白な犯罪にあたる行為である。そうして過ごしながら、ゴーギャンはタヒチを舞台にした数多くの絵を残し、この作品もその一つだ。絵の中でピンク色のワンピースを着ている少女が、まさにテハマナである。

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