パリ · 絵画
アンリ・ルソー《断崖》
オランジュリー美術館 · パリ, フランス
この絵を見ると、どこか見覚えのある感覚を覚えるかもしれない。オルセー美術館を訪れたことがある人ならなおさらで、クールベが描いた《エトルタ、嵐の後》とよく似た雰囲気を漂わせているからだ。実際、エトルタを題材にした絵であればたいてい似た印象を受けるもので、ルソーが当時の画家たちが描いたノルマンディー地方のこうした風景画を見て、この作品を描いたためである。
ワークライフバランスという概念自体が存在しなかった時代、20年以上会社勤めをしていたルソーが、パリ郊外へ実際に出かけることは容易ではなかった。そのため、他の画家が描いた絵を参考にしながら自身の想像力を加えて、この作品を完成させた。絵そのものに特段際立った特徴があるわけではないが、ルソーが残した数少ない海辺の風景画であるという点で、特別な意味を持っている。
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