オランジュリー美術館 · 84/122

パリ · 絵画

セザンヌ、赤い屋根のある風景

オランジュリー美術館 · パリ, フランス

オランジュリー美術館
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マルセイユ近郊のレスタックという村を描いたこの風景画には、当時セザンヌと盛んに交流していた画家ピサロの影響がはっきりと見て取れる。

まず目を引くのは、横長ではなく縦長の構図である。当時の風景画は広い視野を収めるために横長で描かれるのが一般的だったが、ピサロは広さよりも高さと奥行きを重視した縦長の構図を好んで用いており、セザンヌはこれを取り入れた。さらに画面手前の左側には一本の松の木とその下に塀のようなものが配されているが、このように前景に物を置くことで、見る者の目は遠近法を計算せずとも自然と奥の風景をより遠くにあるものと認識する。これもまたピサロから学んだ手法である。

ここにセザンヌは自分なりの工夫を加えた。奥へ行くほど色を淡く塗ることで距離感を表現したのだが、これは実際に遠くのものがぼんやりと見える視覚体験と重なるものだ。一見何気ない風景画のようでいて、そこには当時の画家たちが互いに与え合った影響と、セザンヌならではの探求が重なり合っている。

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