ノートルダム大聖堂 · 7/21

パリ · 建築

フライング・バットレスと一体型の排水システム

ノートルダム大聖堂 · パリ, フランス

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聖堂の脇や裏手へ少し足を運ぶと、建物の壁から外側へ大きく伸びる、巨大な石の翼が目に入ります。フライング・バットレス、つまり飛梁です。800年も前に、これほど精巧な建築構造が実現していたとは驚きです。この構造物は、聖堂をしっかり支える支柱のようなものと思われがちで、その理解も間違いではありません。高い壁が内側へ崩れないよう、外からぐっと押さえているのですから。ところが、この構造物にはもうひとつ大切な役目がありました。それは、世界でもっとも優雅で美しい雨水の排水管という役目です。

800年前の建築家になったつもりで想像してみてください。これほど広い屋根に雨が降り注いだら、その水をどう処理すればよいでしょうか。壁をつたって流れるままにしておけば、やがて聖堂の基礎が傷み、建物が危険にさらされてしまいます。この切実な悩みを解決した見事なアイデアが、フライング・バットレスでした。雨粒になって、水の流れを追ってみましょう。屋根に落ちた雨粒は、まず排水管を伝って下りてきて、フライング・バットレスの背の上へと流れ込みます。この石の翼の上部は、じつはくぼんだ水路になっているのです。雨水はその水路に沿って、アーチの上を安全に渡っていきます。最後にたどり着くのは、大きく口を開けた怪物の彫刻、ガーゴイルの口。そこから水は、建物から遠く離れた場所へと勢いよく吐き出されます。

ガーゴイルは見た目こそ地獄を象徴する怪物ですが、この精巧な排水システムの締めくくりであり、素敵な噴水の役割も果たしていました。ノートルダムの飛梁は、建物を支える役目と雨水を処理する役目という、ふたつの務めを見事にやり遂げた、芸術と科学の偉大な合作なのです。

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写真は ウィキメディア・コモンズ より。撮影:Andreas Praefcke、Roland Arhelger(CC BY-SA 4.0 / CC BY 3.0)。

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