パリ · 絵画
日傘をさす女性とシュザンヌ・オシュデ
ジヴェルニー · パリ, フランス
視線を移すと、『臨終のカミーユ』とは雰囲気がまったく違う、明るい色彩で日傘を持つ女性の絵が見えてきます。似た絵が2点あり、1点は『日傘をさして右を向く女性』、もう1点は『日傘をさして左を向く女性』です。タイトルのとおり、とても直感的な名前ですね。一方は光を背にしており、もう一方は光に向かい合っているため、影の位置が異なっているのが特徴です。
この絵のモデルは、カミーユではありません。カミーユが生きていたころ、モネの作品に登場する女性はほとんどカミーユでしたが、彼女が亡くなってからは、アリス・オシュデの娘シュザンヌ・オシュデをよく描きました。ところが作品を見ると、顔がはっきりとは見えません。これについて、モネが人物に焦点を当てず、人物も風景のひとつのように描いたからだと言う人もいますが、似た別の作品と比べて、異なる解釈をする人もいます。
詳細ページに載せた『散歩』がその作品です。妻のカミーユと息子のジャンを描いた絵で、三人で散歩していたときに、その姿に美しさを感じたモネが描き上げました。ところが、この絵のカミーユの顔は、かなりはっきりと描かれていて、目鼻立ちも見て取れます。そこで、モネがシュザンヌの顔を描かなかったのは、その姿にカミーユを偲んでいたからではないか、と推測する見方もあります。それでは、2階へ上がって、モネの寝室へ向かいましょう。
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