パリ · 絵画
モネの寝室とカイユボットの習作
ジヴェルニー · パリ, フランス
素朴ながら、この上なく美しい部屋です。ここまで入ってくると、クロード・モネがうらやましくなってしまいます。窓の外には、すばらしい花の庭が広がっています。毎朝、目を覚ますたびにこんな景色を眺めていたモネが、本当にうらやましくなります。
モネのベッドの上には、見覚えのある絵が1点かかっています。わからなければ、詳細ページの絵を参考に探してみてください。ギュスターヴ・カイユボットの『パリの通り、雨』です。シカゴ美術館でこの作品をご覧になった方は、巨大な完成作を思い浮かべるでしょうが、ここにかかっているのは習作です。練習がてら小さく描いてみたものでした。カイユボットは画家であると同時に、大変な美術品コレクターでもありました。特に印象派の画家たちの作品を数多く買い集め、モネとも交流がありました。ですから、モネもカイユボットの作品をひとつ買ったのかもしれません。
この作品はカイユボットの作品のなかでもっとも有名なもので、雨のパリの通りが描かれています。この通りは、今朝皆さんが通ってきたサン・ラザール駅の近くにあるモスクワ通りです。いまでも、絵が描かれたダブリン広場からこの通りを眺めると、絵とそっくりな光景を目にすることができます。カイユボットは、風景を写真に撮ったように表現したいと考えていました。詳細ページで完成作もあわせてご覧ください。写真のように対象を完璧に再現しようとしたのではなく、写真を撮るときのように、一瞬の瞬間をとらえたかったのです。作品の中の人々は、それぞれの行き先へと忙しく歩いています。いちばん手前の二人も正面ではなく横を向いていて、右端の人物はわざと半分だけ描かれ、写真のような瞬間性が表現されています。完成作はシカゴ美術館で、この部屋にかかっている習作はマルモッタン・モネ美術館で見ることができます。
それでは、次の部屋へ移動しましょう。オシュデ家の娘たちの部屋です。



