パリ · 絵画
オルセー美術館――駅舎から印象派の殿堂へ
ジヴェルニー · パリ, フランス
印象派の美術館として最も有名なのは、やはりオルセー美術館です。19世紀半ばから近代までの作品を展示しており、絵画だけでなく、彫刻、建築、写真、装飾芸術など幅広い作品を鑑賞できます。
オルセーもまた、最初から美術館として建てられた建物ではありません。もとはサン・ラザール駅のような鉄道駅で、列車の発着時刻を知らせる大きな時計塔が特徴です。1900年のパリ万国博覧会を記念して「オルセー駅」の名で建てられ、鉄道駅とホテルとして栄えました。しかし、列車がだんだん長くなり、新たに開発された列車とプラットホームの規格が合わなくなったため、駅は閉鎖されます。1979年にこの建物を美術館として活用する計画が立てられ、1986年に美術館として生まれ変わりました。
駅だったからこそ、その名残も垣間見ることができます。まず、駅の大時計です。5階まで見終わったあとに時計の内側から撮影すると、とてもきれいに写ります。プラットホームの形も残されていて、大きく0階、2階、5階に分かれています。この3つのフロアには、年代ごとに異なる作品が展示されています。
0階には、アングルといった新古典主義の作家、クールベといった写実主義の作家、ミレーやドービニー、ブーダンらの自然主義の画家の作品があります。5階へ上がると印象派の作品が並び、これまでお話ししてきたモネ、マネ、ルノワール、ドガ、シスレーなどの作品に出会えます。2階には後期印象派、つまり印象派の影響を受けた画家たちの作品があり、フィンセント・ファン・ゴッホやポール・ゴーギャンらの作品を鑑賞できます。
ジヴェルニーでご紹介した作品の多くが、オルセーの所蔵品です。アカデミズムの例としてご紹介したアレクサンドル・カバネルの『ヴィーナスの誕生』は0階にあります。0階では、アカデミズムの絵画に加え、モネの師ともいわれる自然主義の画家ウジェーヌ・ブーダンの作品も見られます。5階には、エドゥアール・マネの『草上の昼食』をはじめ、クロード・モネの『アルジャントゥイユのひなげしの野原』、『死の床のカミーユ』など、実に多くの作品が待っています。