モネのジヴェルニー · 27/28

パリ · 絵画

モネと師ウジェーヌ・ブーダン

ジヴェルニー · パリ, フランス

このスポットの音声解説はアプリで MuseCatアプリ アプリで聴く

オルセー美術館の話の中で、自然主義の画家ウジェーヌ・ブーダンをクロード・モネの師と呼ぶ、と少し触れました。その経緯をご紹介しましょう。

モネはパリに生まれ、5歳のときにフランス北西部の港町ル・アーヴルへ引っ越し、そこで絵を描き始めました。最初に描いたのは、今私たちが知っているような絵ではなく、カリカチュアや風刺漫画のようなものでした。やがてル・アーヴルの南にある港町オンフルールで、一人の画家と出会い、絵を学びます。「空と海の画家」として知られる自然主義の画家、ウジェーヌ・ブーダンです。ブーダンはオンフルールに生まれ、美しい空と海を見て育ったため、ごく自然に風景画に目覚めました。ブーダンとの出会いを通じて、モネは自然を絵に描き出せるのだと気づきます。

先ほどお話ししたとおり、モネが絵を描き始めた頃、自然は絵の題材になり得ませんでした。アカデミズム芸術の主題は、神話、歴史、宗教のように、それなりの意味を持つものでした。自然は、わざわざ描く価値のないものだったのです。身の回りにいくらでもあるのに、なぜ描くのか、という考え方でした。けれどもブーダンに出会って、自然をこのように描けるのだと知ったモネは、パリへ渡り、本格的に絵を学びます。

アトリエで教わったのも、やはりアカデミズム芸術でした。しかし、すでに自然を描けると気づき、物事を別の視点で見ていたモネは、そのやり方に物足りなさを感じます。人物画でも、アトリエでは人物の欠点をなくして完璧に描写することが完璧な絵だと教えていましたが、モネはそのようには描きたくありませんでした。みな同じように描くくらいなら描かない、と席を蹴って出ていってしまいます。

そしてアトリエで出会った仲間たちとフォンテーヌブローの森へ向かい、その場で絵を描き始めました。このとき一緒だったのが、ピエール=オーギュスト・ルノワール。有名な印象派の画家です。パトロンの役割も果たしてくれたバジールも一緒でした。3人はその場で絵を完成させ、この行動が印象派の始まりといわれています。その理由は、次のお話で。

音声ガイド

作品の前で、 再生するだけ。

アプリで聴く

無料ダウンロード · iPhone

iPhoneでスキャン

← マガジン一覧へ戻る

写真は ウィキメディア・コモンズ より。撮影:Rebexho、TouN(CC BY-SA 3.0 / Public domain)。