パリ · 宮殿・各室
平和の間
ヴェルサイユ宮殿 · パリ, フランス
平和の間は、鏡の間を軸として戦争の間と対をなす空間である。戦争の間がルイ14世の軍事的勝利を称えているのに対し、平和の間はその勝利によってもたらされた平和を称えている。
天井画の構図は戦争の間とよく似ている。中央にはフランスを擬人化した人物が、黄金のユリが描かれた青いマントと盾を持って描かれ、その周囲には戦勝によって得られたフランスの不滅・平和・繁栄・威容を象徴する神々が配されている。正面の絵には、ヨーロッパという名称の由来となったエウロペ姫に、ルイが平和の象徴であるオリーブの枝を差し出す場面が描かれているが、この絵の主人公はルイ14世ではなく、曽孫にあたるルイ15世である。生涯に数多くの戦争を経験したルイ14世は、「私のようになるな。できる限り戦争を避け、民の負担を軽くし、平和な君主になりなさい」という遺言をルイ15世に残したと伝えられる。対外戦争に没頭するあまり内政をおろそかにした自らへの反省からの言葉だったという。しかしルイ15世もまた無謀な戦争に乗り出し、その結果、すでに悪化していた王室財政はさらに深刻化した。
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