パリ · 宮殿・各室
王妃の寝室
ヴェルサイユ宮殿 · パリ, フランス
王妃の寝室から始まる4つの部屋は王妃のアパルトマンに属し、先に見た国王のアパルトマンと対称をなす空間である。ここにはルイ14世の王妃マリー・テレーズ、ルイ15世の王妃マリー・レシュチンスカ、ルイ16世の王妃マリー・アントワネットが代々住んだ。国王の公式寝室であったメルキュールの間とは異なり、ここは王妃が実際に眠る場所であった。儀礼を終えた国王がメルキュールの間からこの部屋へ渡り、夫婦の営みを行うこともあり、出産もここで行われた。1682年から1786年までの約100年間に、この部屋で生まれた子どもは合計19人にのぼる。
ベッドのある区域と見学者が立つ区域を隔てる欄干が示すように、王妃の部屋でも国王の部屋と同様、宮廷の儀礼作法が厳格に守られていた。毎朝4人以上の廷臣が、下着から上着まで手ずから王妃の着替えを行った。ベッド脇の壁には私的な寝室へ通じる扉があり、国王に公的な寝室とは別の私的な寝室があったように、王妃にも公式の作法から離れて読書をしたり、親しい人々を招いて過ごしたりできる個人的なくつろぎの空間があった。1789年には、ヴェルサイユに押し寄せた革命軍から逃れるため、マリー・アントワネットが身を隠す脱出経路としても使われた。
iPhoneでスキャン