パリ · 宮殿・各室
豊穣の間
ヴェルサイユ宮殿 · パリ, フランス
王のアパルトマンの中では最も小さな部屋だが、その名は「豊穣の間」という。天井の中央には二人の女神が描かれている。ピンク色の布をまとった豊穣の女神の傍らでは、金銀財宝が人間の世界へと流れ落ち、その隣には青い布をまとった寛容の女神が、おおらかな姿で腰を下ろしている。これは、ルイ14世が豊かさを惜しみなく分け与える王であることを象徴している。
ルイ14世がこの部屋を訪れた客人にまず見せたのは、正面上方に描かれた器であった。これは、金の重さだけで27キログラムにも及んだルイ14世の実物の器をモデルにした絵画で、その器自体が権力の象徴であったため、人々はこの器に対してさえ挨拶をしなければならなかったと伝えられている。盛大な晩餐が催される際には食卓に並べられ、ルイ14世が使うナプキンを置く台として用いられ、普段は絵の下にある扉の奥、「好奇心の間」に収められていた。好奇心の間は、その名の通り部外者に「あの中に一体何があるのだろうか」という好奇心をかき立てる部屋で、選ばれたごく少数の者しか立ち入ることができなかった。その中には宝石やメダル、器、彫像といった数々の宝物があり、王は政務に疲れると、この部屋に入ってそれらを眺めることで心を落ち着けていたという。
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