パリ · 宮殿・各室
市民王ルイ・フィリップとトロンプルイユ技法
ヴェルサイユ宮殿 · パリ, フランス
最も大きな絵画の中央で、白馬にまたがっているのがルイ・フィリップである。ヴェルサイユ宮殿の前で五人の息子たちと一緒にいる姿を描いたものだ。1830年の7月革命後に即位し「市民王」と呼ばれた彼は、ヴェルサイユ宮殿に住むことを望まず、代わりにここをフランス歴史博物館へと作り変えた。「フランスのあらゆる栄光のための歴史博物館」をスローガンに掲げた彼は、フランス王政の歴史的人物や出来事を描いた作品でこの空間を満たした。代表的な例として、百年戦争をフランスの勝利に導いたシャルル7世や、ルイ15世の摂政を務めたフィリップ2世の肖像画がこの部屋に掛けられている。
二つの肖像画をよく見ると、興味深い点に気づくだろう。額縁の中に絵が収まっているように見えるが、その額縁自体も描かれたものなのだ。こうした技法は「トロンプルイユ」と呼ばれ、フランス語で「目だまし」を意味し、絵を実物と見間違えさせる手法である。実際の大理石や彫刻を使わずとも、華やかな視覚効果を生み出すことができたわけだ。贅沢よりも、合理的な費用で最大の効果を狙うやり方を好んだ「市民王」ルイ・フィリップらしさが垣間見える部分である。
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