パリ · 建築
下部礼拝堂、空を映す天井
サント・シャペル · パリ, フランス
中に入ると、空を象徴する青い天井が優雅な雰囲気を醸し出しています。礼拝堂の内部が神の国である天国であることを、視覚的に表現したものです。そこに、「天の秩序こそがフランス王室の秩序である」というメッセージを伝えるため、当時のフランス・カペー朝の象徴であるユリの花が、夜空の星のように金色で散りばめられています。
正面の彫像は、この礼拝堂を建てたルイ9世です。彼がまとう衣や傍らの柱には、青地にユリの紋章が描かれています。その隣にある、城の模様が描かれた赤い柱は、ルイ9世の母の出身地であるカスティーリャを象徴しています。ルイ9世は母への孝心が深く、自らの紋章と母の紋章を並べることで、フランス王室の正統性とカスティーリャ家との結びつきを表したのです。
ルイ9世の足元には、壊れた彫刻の断片が、右側にはガーゴイルの姿も見えます。これらは、13世紀に建てられたサント・シャペルが19世紀に大規模な修復を受けた際に取り外された彫刻です。老朽化のため新しいものと交換されましたが、捨てられることなく保管され、新たな彫刻を作る際のお手本となりました。
現在は観光案内スペースとお土産ショップになっているこの場所が「下部礼拝堂」です。王族ではなく、宮殿の役人や使用人、兵士たちが礼拝を行った場所で、上部に比べて天井がずっと低く、落ち着いた雰囲気があります。上部礼拝堂へ上がる階段は入口の右側にあります。狭くて急ですので、足元にご注意ください。

