パリの劇場と公演 · 13/16

パリ · 街歩き

映画館からグラン・ブールヴァールまで

パリ · パリ, フランス

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映画館、複合文化施設、実験的な劇場、そしてパリを代表する演劇街。劇場めぐりの締めくくりに、ユニークな4か所をご紹介します。

グラン・レックス(Le Grand Rex)は、フランス映画の黄金期を象徴する1930年代初頭の映画館で、パリで最も有名な映画館であり、コンサートホールでもあります。収容人数2,700席という巨大な劇場です。筆者はここで、映画の上映会とマスタークラスに参加したことがありますが、こんなに美しい映画館は初めてと思うほどの衝撃でした。30メートルを超える天井の高さにも驚かされましたが、特に印象的だったのは、夜空をテーマに星がきらめく天井と壁面の装飾です。地中海の古代都市をイメージした内部は、まるで屋外で上演を観ているような感覚を味わわせてくれます。やはりと言うべきか、この建物はフランスの歴史的建造物に登録されています。映画のほかミュージカルやシネコンサートなども上演されるので、事前にプログラムを確認して、ぜひ足を運んでみてください。

サンカトル(Le Centquatre-Paris)は、芸術と創作の自由な広がりを支える、パリの公共複合文化施設です。もとは市営の葬儀場だった建物を改装し、2008年にオープンしました。パリ市の支援を受けて整備されたそうです。所在する19区は、住宅地と商業地が混在するやや寂れた地域というイメージが強く、今もそうした印象が残っています。この場所を文化の拠点へと生まれ変わらせることで、地域の住民には新たな文化的機会を、パリのアートシーンにはより多くの多様性をもたらそうと、公的資金が投じられました。筆者はここへコンサートや公演、展覧会を観に行くこともありますが、若々しく活気のある雰囲気が好きで、ただ遊びに行くこともあります。建物の中央は広場のような空間になっていて、振付の練習やジャグリングの練習をする人たちの姿をよく見かけます。誰でも自由にリハーサルや創作活動ができる場所だからです。互いに気を配りながら創作に打ち込む人たちを見ていると、筆者も元気をもらえます。食事やコーヒーを楽しめるかわいらしいカフェもあり、チーズフェスティバルや週末のマルシェ、瞑想会など、さまざまなイベントも開かれます。ただし、このエリアは観光客よりも地元の人が多く訪れる場所です。地元の雰囲気が好きな方にはより魅力的に映りますが、観光地ならではの安心感や親しみやすさを求める方には、少し馴染みにくく感じられるかもしれません。

レ・ザンスタン・シャヴィレ(Les Instants Chavirés)は、パリ郊外にあるインディペンデント系の音楽ホールで、インディーズ、実験音楽、現代音楽の公演が中心です。「パリで一番ホットな即興音楽のライブハウス」と薦められて足を運んだのですが、一度は体験する価値のある公演でした。非常に実験的で新鮮、「音楽とは何か」という根源的な問いを投げかけてくる独特のステージでした。チャレンジ精神があって音楽が好きな方なら、一度は訪れたい隠れた名所です。

最後はグラン・ブールヴァール(Grands Boulevards)。パリの演劇の中心とも言えるエリアです。オペラ・ガルニエから共和国広場まで続くこの一帯は、演劇、ミュージカル、現代舞踊など多彩な舞台が上演される、活気ある文化の中心地です。大衆的で軽やかな演劇ジャンル「ブールヴァール劇」発祥の地でもあります。ブールヴァール劇は、18世紀後半から19世紀初頭にかけて、グラン・ブールヴァールに建ち並んだ劇場から始まりました。これらの劇場は軽くて娯楽性の高い芝居を上演し、公共劇場で上演されていた複雑で知的、歴史的な戯曲とは異なる新しいスタイルを生み出したのです。ブールヴァール劇の代表例としては、ブロードウェイ・ミュージカルにも翻案された『ラ・カージュ・オ・フォール(La Cage aux Folles)』や『ボーイング・ボーイング(Boeing Boeing)』などがあります。今日もグラン・ブールヴァールはパリを代表する演劇地区で、通り沿いに並ぶ劇場と、若々しく活気ある界隈の空気が魅力です。

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