パリの劇場と公演 · 1/16

パリ · 街歩き

知っておきたい、フランスの観劇マナー

パリ · パリ, フランス

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見知らぬ場所へ向かうとき、気持ちが高まるばかりではありません。言葉も文化も違う海外の劇場ならなおさらです。フランスの観劇文化を事前に知っておけば、より落ち着いた気持ちでパリの舞台を楽しめます。

11月のある日、ミュージカル『レ・ミゼラブル』を観に出かけるところを想像してみましょう。マフラーをぐるぐると巻いて、足早に通りを歩きます。ドレスコードはそれほど気にしなくて大丈夫です。短パン、ジャージ、サンダルさえ避ければ、パリジャンの中に自然に溶け込めます。通りにはもうクリスマスの飾りが輝き、テュイルリー公園ではクリスマスマーケットが開かれています。セーヌ川沿いを歩いていくと、劇場が見えてきます。

入口では警備員が危険物の有無を確認します。バッグを開けて見せ、セキュリティゲートを通ってロビーへ進みましょう。フランス語でバッグは「sac」。この言葉が聞こえたら、バッグを見せてほしいという意味です。ロビーには、当日券の購入や問い合わせのためのチケット窓口(billetterie)があります。多くの劇場には、コートや大きな荷物を預けるクローク(vestiaire)もあり、預けると番号札がもらえます。終演後にその札を見せて受け取る仕組みです。ただ、帰りは長い行列ができるので、大きな荷物を持たずに行き、クロークは使わないほうが安心です。

最近はモバイルチケットが主流です。予約直後または公演の数日前にメールで届くほか、予約サイトですぐに確認でき、印刷せずにスマートフォンの画面を見せるだけで入場できます。劇場によっては追加料金で紙のチケットを受け取れることもありますが、公演ごとにデザインされたチケットは一般的ではありません。客席入口でQRコード付きのモバイルチケットをスタッフに見せると、スキャンのうえで通してくれます。

開演が近づくと、鐘の音が鳴り響きます。火災報知器かと思うような音ですが、まもなく開演するというお知らせです。ところが客席を見渡すと、まだ着席していない観客がたくさんいます。パリの公演は10分ほど遅れて始まることが多く、ほとんどの人は不満を見せることなく待っています。それでも定刻に始まる公演もあるので、余裕をもって到着し、劇場内を見て回ったり、プログラムに目を通したりしておくのがおすすめです。劇場は通常、開演の1時間前にオープンします。席で待っていると、案内係が客席中央寄りに移ってよいと手振りで合図してくれることもあります。パリではこうしたチャンスがときどき訪れます。ただし、移動できるのは案内係が合図したときだけなので注意してください。

第1幕が終わると休憩です。長い公演では15〜20分ほどの休憩があり、劇場内のバーでコーヒー、ワイン、ビールなどの飲み物や軽食を購入できます。価格は5〜10ユーロほどが目安です。少し外の空気を吸いに劇場を出たい場合は、入口のスタッフが再入場するかを尋ね、紙のチケットを渡してくれることがあります。戻るときはそのチケットを見せるだけで入れます。

最後に、知っておきたい文化をあと2つご紹介します。1つ目は、一部の劇場では案内係がチップを受け取ること。一般的ではありませんが、ウエストポーチをつけた案内係が席まで案内し、小銭を受け取る場合があります。その際は客席の近くに「チップ歓迎」の案内が掲示されており、案内してもらったならチップを渡すのがマナーとされることもあります。2つ目は、パリの劇場では座席番号が客席の中央から振られていることが多い点です。たとえば中央を基準に、右側はA列の2、4、6、8、10番、左側はA列の1、3、5、7、9番というように、偶数と奇数で分かれています。フランス語で奇数はimpair、偶数はpairと呼び、客席入口には、その入口が奇数側か偶数側かが表示されています。

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