パリ歴史散歩 · 10/18

パリ · 街歩き

チュイルリー庭園 ― パリの中央公園

パリ · パリ, フランス

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チュイルリー庭園は、パリの中心に位置し、パリの中央公園のような役割を果たしている、最も歴史ある代表的な庭園です。ルーヴル美術館からカルーゼル凱旋門を抜けて行くことができます。散策しながらお聴きいただいてもよいですし、庭園の奥にある噴水の前の緑色の椅子に座って聴くのもおすすめです。この椅子は、SNSで一度は目にしたことがあるかもしれません。

チュイルリー庭園は、民間ではなく王室の主導でつくられ、つくった人物はカトリーヌ・ド・メディシスです。当時、カルーゼル凱旋門から現在の庭園にあたる場所にはタイル工場があり、彼女はその工場を造り替えて、チュイルリー宮殿とチュイルリー庭園を築かせました。タイル工場を意味するフランス語「チュイルリー」が、そのまま庭園の名前になったのです。チュイルリー宮殿は、カルーゼル凱旋門を抜けて庭園へ向かう道沿いにあり、ルイ14世が宮廷をヴェルサイユに移すまで、ルーヴル宮殿とともに王室の宮殿として使われていました。言い伝えによると、宮殿の建設を命じたカトリーヌ本人は、そこには住まず、周辺の別の場所で暮らしたそうです。ある占い師が、彼女は宮殿の立つ「サン・ジェルマン近くで死ぬ」と予言したためだといわれています。チュイルリー宮殿は、フランス革命の際、ルイ16世とマリー・アントワネットがヴェルサイユから連れてこられて滞在した場所でしたが、のちのパリ・コミューンの際に火災で廃墟となり、取り壊されました。ただし、再建をめぐる議論もあります。シャルル・ド・ゴール大統領は再建を支持し、大統領官邸を新たに建てたチュイルリー宮殿に移そうと唱えました。この問題は今も検討中とされていますが、21世紀の世界金融危機やコロナ禍もあり、まだしばらく待つことになりそうです。王室の計画に始まり、フランス革命を経て、パリ市民の散策や憩い、交流の場となったチュイルリー庭園と、今は姿を消した宮殿は、フランス史の最大の目撃者といえるでしょう。

チュイルリー庭園には、さまざまな時代の様式をもつ彫刻や像が点在し、まるで野外美術館のようです。ほかの美術館と違って無料ですので、歩きながら鑑賞し、くつろぐパリジャンの姿も眺めてみてください。ガイドは、公共の場にも芸術作品を置き、その中でゆったり過ごす姿が、フランス人が芸術に親しみやすい理由であり、パリが最も芸術的な都市であり続ける理由のひとつだと考えています。

夏には毎年300万人以上が集まるお祭りが庭園で開かれ、多彩なアトラクションやグルメが楽しめます。開催中なら、フランスで最も高く上がる観覧車にぜひ乗ってみてください。パリの街を一望できます。冬にはクリスマスマーケットが開かれていることもあり、夏とはまた違った魅力が味わえます。

次の目的地はオランジュリー美術館です。その前に、喉が渇いたりお腹がすいたりしたら、チュイルリー庭園のすぐ前にあるカフェ・アンジェリーナでひと休みするのもよいでしょう。カフェに立ち寄らない方も、美術館へ向かう道すがら、カフェ・アンジェリーナの章をお聴きください。パリのカフェにまつわるお話が入っています。

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写真は ウィキメディア・コモンズ より。撮影:Didier B(CC BY-SA 2.5)。

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