パリの教会めぐり · 32/33

パリ · 建築

ノートルダム大聖堂 西ファサード

パリ · パリ, フランス

パリ
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ツアーの最後の目的地であり、パリで最も大きな教会、ノートルダム大聖堂の正面、西ファサードです。フランス・ゴシック様式の真髄とされ、三つの扉に区切られた垂直線と、鐘楼や各ギャラリーで区切られた水平線が調和しています。上から順に見ていきましょう。

■ 鐘楼とキマイラのギャラリー いちばん上には二つの鐘楼があります。先端が尖っていないのが特徴です。カジモドのように鐘楼に登ることもでき、ここから眺めるパリの景色はおすすめです。ただし、422段の階段を上る必要があります。

二つの鐘楼をつなぐ部分が、キマイラのギャラリーです。教会で見られる怪物の形の彫像は2種類。ひとつは、サン=セヴラン教会ですでに見た、排水口の役割をするガーゴイル。もうひとつが、装飾用の彫像であるキマイラです。頬杖をつき、翼を持つ、ノートルダム大聖堂の有名な怪物がキマイラで、全部で54体あります。形はすべて異なります。

■ 聖母のギャラリーと王のギャラリー 視線を少し下げると、正面中央に丸い窓があります。バラ窓です。バラ窓の前には、罪と救いを象徴する燭台を持った二人の天使が中央の聖母像を囲む彫刻があり、バラ窓の脇の窓の間の柱には、それぞれアダムとイヴが立っています。この部分が聖母のギャラリーです。

聖母のギャラリーの下は王のギャラリー。フランス革命の際、フランス王の彫像と誤解されて破壊され、のちに復元された部分です。これらはフランス王ではなく、キリスト以前のユダヤの王28代を表す彫像です。

■ 三つの扉 下の三つの出入口を見てみましょう。ほかの大聖堂でも役立つので、まず用語を覚えておきましょう。扉と扉の間の柱は「トリュモー」、扉の上の彫刻部分は、上から順に「ティンパヌム」「上部まぐさ」「下部まぐさ」の3つから成ります。通常は下から上へ、左から右へと見ていきます。

中央の扉は「最後の審判の扉」です。下部まぐさは、死者が墓から起き上がる場面。上部まぐさは、大天使ミカエルが秤で魂の重さを量り、二匹の悪魔が秤を傾けようとする様子で、左には選ばれた者たち、右には鎖につながれた罪人たちがいます。いちばん上のティンパヌムの中央にはイエスがおり、両脇の天使たちが十字架と槍、釘を持ち、ひざまずいているのは聖母マリアと聖ヨハネです。トリュモーにはイエス、迫持(せりもち)には十二使徒の彫像が刻まれています。アーチ・ヴォールトには乙女たちがいますが、灯りがともっているものと消えているものがあるのが興味深いところです。

左の扉は「聖母マリアの扉」です。下部まぐさには、三人の預言者と三人のイスラエルの王が、聖書の書かれた巻物を持っています。上部まぐさは、イエス・キリストと十二使徒、使徒パウロと使徒ヨハネに囲まれた聖母マリアの死。ティンパヌムは、天の女王として戴冠される聖母マリアとイエス・キリストです。トリュモーの下にはアダムとイヴ、迫持にはモンマルトルの丘にゆかりのある聖ドニの彫像があります。

右の扉は「サンタンヌの扉」です。下部まぐさは、聖母マリアの両親である聖アンナとヨアキム、そして聖母マリアとヨセフの結婚式。上部まぐさには、イエスの生涯の主要な場面である受胎告知、マリアのエリサベト訪問、イエスの誕生、東方三博士の礼拝があります。ティンパヌムには聖母マリアと幼子イエス。トリュモーの主役は、パリの守護聖人のひとり、聖マルセルです。迫持には、左から3番目にソロモン王、6番目にダビデ王がいます。

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写真は ウィキメディア・コモンズ より。撮影:Diliff(CC BY-SA 3.0)。

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