パリ · 建築
世界一華やかな大階段
オペラ・ガルニエ · パリ, フランス
目の前に広がるのは、「世界でもっとも華やかな階段」と称されるオペラ・ガルニエの大階段です。ブルジョワ階級の女性たちは、この階段でドレスの裾を長く引きながら一段ずつ上り、それぞれのボックス席へと向かいました。壮麗で美しい階段であることから、『オペラ座の怪人』では仮面舞踏会の舞台としても登場します。
ひとつの階段から左右に分かれ、曲線を描いて伸びていく構造が、とりわけ優雅な印象を与えます。シャルル・ガルニエは、オペラ劇場の元祖といわれるボルドー大劇場からこの階段のインスピレーションを得たそうです。ボルドー大劇場の階段と見比べると、ひとつの階段から左右へ分かれる構造から彫刻の配置まで、よく似ていることに気づくでしょう。
階段の優雅さを引き立てるもうひとつの要素が大理石です。手すりや彫刻の台座をよく見ると、白い大理石のほか、赤、黄、緑など色とりどりの大理石が使われています。イタリア、スウェーデン、アルジェリアといった大理石の名産地から取り寄せた貴重な石材で、ガルニエがこの装飾にどれほど心血を注いだかが伝わってきます。
一階分上って2階の入口まで行くと、両側に彫像が立っています。ガルニエの友人だった彫刻家ジュール・トマの作品です。左は悲劇をつかさどる女神メルポメネで、手に剣を持ち、腰のあたりに顔をしかめた仮面をさげています。右は喜劇をつかさどる女神タリアで、蔦の冠をかぶり、手にハープを持っています。この像にはありませんが、笑顔の仮面と杖もタリアを象徴するアイテムです。2人の女神はツアーの途中でもう一度登場しますので、この特徴を覚えておいてください。
階段の上は、オペラ・ガルニエでもっとも美しく写真に収められるスポットです。ただし、予約時間ちょうどに入場すると多くの人の動線が重なり、混み合うことがあります。人が多すぎる場合は、ツアーの最後に大階段を通る際、人が少ないタイミングを見計らって撮影するのがおすすめです。