パリ · 絵画
7年を捧げても拒まれた彫刻、ロダン『バルザック』
オルセー美術館 · パリ, フランス
19世紀フランス写実主義文学の巨匠バルザック。その没後50周年を記念し、フランス文人協会は追悼彫刻を建てることを決め、当時の協会長エミール・ゾラの推薦によってロダンがこの制作を任されることになった。文学界の巨匠としてバルザックを深く尊敬していたロダンは、全身全霊を注ぎ込んだ。彫刻に取りかかる前のバルザックに関する資料調査だけで4年を費やし、その後3年間制作に打ち込み、合計7年をかけて完成させたのがまさにこの彫像である。
しかし発表当時、この作品は酷評にさらされた。雪だるまのようだと言う者もいれば、バルザックの顔がヒキガエルに似ていると嘲笑する者もいた。結局、彫刻を依頼していた文人協会は代金を支払わないまま契約を破棄してしまった。
しかし実際のバルザックの生前の姿と比較してみると、この彫刻がそれほど誇張されたものではなかったことが分かる。バルザックはもともと腹の出た体型で、顔立ちも彫刻とそう大きくは異ならない。ロダンはこの作品を作るためにバルザックの顔や体型はもちろん、生活習慣まで徹底的に調べ上げたのだから、それだけ写実的な作品に仕上がったのは当然の結果だった。ただ、文人協会が望んでいたのはおそらく、もっと威厳と気品のある姿だったのだろうと推測される。
結局この彫刻は引き取りを拒否され、ロダンは世を去るまでこの石膏像を自ら所有し続けた。彼が亡くなってから20年が経ってようやくブロンズ像として制作され、現在そのブロンズ像はパリのロダン美術館と、パリのバビロン地下鉄駅近くでそれぞれ見ることができる。
iPhoneでスキャン


