パリ · 絵画
なぜ家・庭・家族だったのか、カサット『庭にいる少女』
オルセー美術館 · パリ, フランス
庭の中で静かに針仕事に集中する少女が描かれている。青々とした庭の空気と少女の落ち着いた表情が溶け合い、穏やかな雰囲気を醸し出している。この絵を描いたメアリー・カサットは、印象派を代表する女性画家の一人である。
オルセー美術館にはカサットだけでなく、ベルト・モリゾのような女性画家たちの作品も数多く所蔵されているが、彼女たちの絵には共通点がある。それは、家・庭・家族といった題材が際立って多いということだ。法律で禁じられていたわけではないが、当時の女性が一人で外出したり男性と自由に交流したりすることには社会的な制約が伴った。屋外に出て風景を描くことも、批評家や画商と自由に交流することも容易ではなかった。そのため女性画家たちは自然と、自分が過ごすことのできる家、庭、家族という日常的な空間に題材を求めた。『庭にいる少女』もそうした時代背景の中で生まれた作品である。
興味深い点がもう一つある。メアリー・カサットはアメリカ出身の画家だ。パリに渡って活動し印象派グループに加わり、その後アメリカに印象派を紹介し、収集家たちに作品を知らしめる上でも大きな役割を果たした。彼女のおかげで印象派は海を越えてアメリカにも広く広まることができた。
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