パリ · 絵画
スーティン「給仕の少年」
オランジュリー美術館 · パリ, フランス
シャイム・スーティンの「給仕の少年」は、座っているとも立っているとも言えない、どっちつかずの姿勢が目を引く作品です。実際には椅子に座って描かれた可能性がありますが、スーティンはあえて画面から椅子を消しました。遠近法を無視した構成のため、脚と手は長く、胴体は短く描かれています。
この作品は、フランス美術の巨匠アングルが描いた「ベルタン氏の肖像」から着想を得ています。腕の位置や座り方がどこか似ていますが、アングルの絵が当時裕福なブルジョワを描いたものであるのに対し、スーティンの絵はレストランの給仕のような労働者をモデルにしている点が異なります。両作品のもう一つの違いは椅子の有無です。スーティンは椅子を安定した生活の象徴と捉え、その日暮らしを強いられる給仕の少年の現実を表すために、あえて椅子を描かなかったのです。
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