パリ · 絵画
ルノワール、ピアノの前の姉妹
オランジュリー美術館 · パリ, フランス
白い服を着た姉イヴォンヌがピアノを弾き、赤い服の妹クリスティーヌがその傍らで一緒に楽譜を見つめている。二人は、ルノワールと親しかった画家であり美術の後援者でもあったアンリ・ロールの娘たちである。
画面奥の壁には、競馬の場面と踊り子を描いた二点の絵が掛かっているが、いずれも印象派のもう一人の巨匠、エドガー・ドガの作品だ。コレクターでもあった父ロールが所蔵していたドガの絵を、ルノワールは画中にそのまま描き込んだのである。
ピアノと絵画に囲まれた空間からは、19世紀末パリのブルジョワ家庭が享受していた豊かで文化的な日常が自然と伝わってくる。温かな色調とやわらかな筆致で、ルノワールは姉妹の穏やかで優雅なひとときを描き出した。
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