パリ · 絵画
ルノワール《風景の中の女性裸体》
オランジュリー美術館 · パリ, フランス
1881年のイタリア旅行で巨匠たちの絵を実際に目にして帰国したルノワールは、それまで没頭していた印象派の技法から離れ、新しい画風を模索し始める。1883年に描かれた本作は、その変化の出発点ともいえる作品である。
主題は、18世紀のフランスの画家たちが好んで描いた「風景の中の裸婦」である。背景の風景には光を巧みに扱う印象派の面影が色濃く残っており、慣れ親しんだ技法から一気に抜け出すことの難しさを物語っている。しかし女性の身体の描き方には明らかな変化が見られ、輪郭線が以前よりもずっとはっきりしている。この絵を描いていた当時、ルノワールは自分はまともにデッサンもできないと嘆いていたという逸話が伝わっている。
興味深いことに、彼は70歳を過ぎてから同じ主題で再び絵を描くが、その作品はこの絵とはまったく異なる印象を与える。そしてその時になってようやく「絵というものが少し分かってきた気がする」と語ったという。その作品こそ、オランジュリーが所蔵する1914年作《水浴する女》で、もし両作品が同時に展示されていれば、ぜひ並べて見比べてみることをおすすめする。
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