パリ · 絵画
ピカソ《櫛を持つ女》
オランジュリー美術館 · パリ, フランス
この作品は、ピカソのバラ色の時代からキュビスムへと移行する過渡期を示す一枚です。全体的には赤みを帯びた色調を用いていますが、女性の腕は円筒形へと単純化され、胸や陰部も繊細な描写ではなく三角形に近い図形で処理されています。立体感よりも平面的な印象が強いのは、ピカソが目に見えるままを再現するのではなく、物を複数の角度から見た上でその形を一つにまとめようとした実験、セザンヌの画風から影響を受けた試みの出発点を示しているためです。
この絵は1906年に描かれ、その翌年、1907年にはキュビスムの象徴とも言える《アヴィニョンの娘たち》が誕生することになります。
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