パリ · 絵画
ピカソ《泉のそばの三人の女のための習作》
オランジュリー美術館 · パリ, フランス
オランジュリーでは、この主題を扱った習作2点が並べて展示されることが多くあります。ピカソは1921年、フォンテーヌブローに滞在しながらこの絵を描きましたが、当時のフランス美術界は革新的な実験に疲れ、再び古典へと回帰しようとする流れがはっきりと表れていました。ピカソもまた、こうした空気の中でこの作品を描いたのです。
興味深いのは、この絵が完成作ではなく習作であるという点です。同じ主題を扱った2点の絵は細部で違いが見られ、大きい方の絵では左側の人物が頭に壺を乗せていますが、小さい方の絵では同じ人物が壺を手に持っています。
こうして複数のバージョンを経て完成した絵が《泉のそばの三人の女》であり、現在はニューヨーク近代美術館に所蔵されています。ピカソはこの絵を描いていた時期に、キュビスム様式の《三人の音楽家》も同時に手がけていました。まったく異なる二つの画風を同じ時期に行き来していたという事実から、絶えず新しい試みを続けたピカソの制作姿勢がうかがえます。
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