グラン・パレ、プティ・パレとアレクサンドル3世橋 · 1/4

パリ · 建築

ボザールとアール・ヌーヴォー

パリ · パリ, フランス

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それぞれの建築物を見ていく前に、ベル・エポック期を代表する二つの様式、ボザールとアール・ヌーヴォーについて簡単に触れておきましょう。

ボザール(Beaux-Arts)はフランス語で「美術」を意味し、1830年代に始まって19世紀末まで流行した芸術様式を指します。パリでもっとも有名で伝統あるエコール・デ・ボザール(国立高等美術学校)のボザール派から生まれた様式です。とりわけ建築で際立つこの様式は、当時のヨーロッパの宮殿や公共建築の設計に大きな影響を与えるほどの力を持っていました。ひとことで言えば、古代ギリシャ・ローマ建築に着想を得たフランス新古典主義に、ルネサンスやバロックの様式、さらに鋼鉄やガラスといった近代的な素材が融合して生まれた様式です。このコースで出会うグラン・パレとプティ・パレ、そしてコースには含まれていませんがオペラ・ガルニエは、いずれもパリを代表するボザール建築です。

ボザール建築の主な特徴としては、まずファサード1階の壁面に見られる「ルスティカ積み(粗石積み)」があります。四角く粗削りにした岩の塊をきちんと積み上げたように見せる仕上げの技法です。扉や窓の上には、古代ギリシャ建築に見られる直角三角形のペディメント(破風)が置かれ、ギリシャ・ローマ神話の人物の彫刻や、「マスカロン」と呼ばれる人の顔の彫刻が施されます。

一方のアール・ヌーヴォー(Art Nouveau)は、ベル・エポック期のもうひとつの重要な芸術潮流で、建築や美術、装飾芸術など幅広い分野に取り入れられました。なかでも装飾芸術とインテリアデザインに、その特徴が最もよく表れています。名前のとおり「新しい芸術」を意味し、ほかの言語圏では「モダン・スタイル」や「自由様式」と呼ぶこともあります。形式的な伝統芸術を打ち破ることを主な目的としており、直線の抑制された印象が強く、古代ギリシャ・ローマ様式を色濃く感じさせるボザールとは異なり、自然から着想を得た曲線の美しさが際立ちます。当時の代表的な芸術家には、エクトル・ギマールとアルフォンス・ミュシャがいます。ギマールのパリの地下鉄駅やミュシャの女性を描いたポスターが代表作で、どちらも花や植物を思わせる曲線が印象的です。

こうしたアール・ヌーヴォーの特徴は、アレクサンドル3世橋、グラン・パレ、プティ・パレのボザール様式と調和し、建物の内外をアール・ヌーヴォーの装飾や技法でいっそう華やかに彩る役割を果たしています。

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