モネのジヴェルニー · 18/28

パリ · 絵画

水の庭――湿地が日本風庭園に変わるまで

ジヴェルニー · パリ, フランス

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水の庭では、イヤホンを片耳だけにして歩いてみてください。流れる水の音と鳥のさえずりが一緒に聞こえてきて、心が穏やかになります。案内板に沿って歩いても、足の向くままに歩いても構いません。

水の庭はもともと湿地でした。モネは近くを流れる水路を見て、こう考えたといいます。これからは自然や光を追いかけるのではなく、自然をここに迎え入れよう、と。彼は水の流れを自然に曲げ、池をぐるりと一周して流れ出ていくようにし、睡蓮を植えました。さらに、愛してやまなかった日本の木版画、浮世絵に描かれた日本風の橋や竹、柳を再現したのです。そのためこの庭は、日本庭園、あるいは東洋風の庭園と呼ばれています。

睡蓮の連作の舞台であるこの庭を楽しみにジヴェルニーを訪れる方は多いのですが、実際に来てみると、どこかで見たようなありふれた池の風景に見えて、がっかりされることもあるのだとか。そうした思いはひとまず脇に置いて、19世紀末から20世紀初頭を生きたフランス人の目で眺めてみてください。

19世紀のフランスには、庭づくりの決まった型がありました。いわゆるフランス式庭園です。ヴェルサイユ宮殿を訪れたことがあれば、すぐに思い浮かぶでしょう。まだの方は、チュイルリー庭園やシャンゼリゼ通りを思い浮かべても構いません。木々は四角や三角、丸、渦巻きなど彫刻のように刈り込まれ、道は平らでまっすぐ、水は丸い池に収められます。とても人工的ですよね。当時のフランスでは人間中心の思想が広まっており、人間の理性があればあらゆるものを制御できると考えられていました。理性で自然を支配した姿こそが、フランス式庭園だったのです。

そんな庭を見慣れた人々にとって、小川がさらさらと流れ、竹がすっと伸び、柳が枝を揺らし、睡蓮が水面に浮かぶこの庭は衝撃でした。生まれて初めて目にする風景だったのです。しかも当時はジャポニスムの時代で、ヨーロッパ中が日本文化に関心を寄せていました。日本の木版画で見たあの風景が現実に見られるとなれば、行ってみたくなって当然です。こうして芸術界や政界の人々が、我先にとこの庭を見たがり、モネに取り入ろうとしたと伝えられています。

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写真は ウィキメディア・コモンズ より。撮影:TouN(CC BY-SA 3.0)。

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