パリ · 宮殿・各室
愛の神殿
ヴェルサイユ宮殿 · パリ, フランス
ここはプティ・トリアノン庭園の中で最も美しい宝石と称される「愛の神殿」である。森の小道を抜けてこの白い大理石の神殿に向き合う瞬間、まるで時空を超えて古代ギリシャの森に迷い込んだかのような錯覚に陥る。マリー・アントワネットは人工の川の真ん中に小島を作り、この神殿を建てた。
神殿の天井を見上げると、中央にバラの花輪と矢筒、エックス字に交差する松明、そしてリボンで結ばれバラとオリーブの葉で編まれた矢が彫られている。その周囲を百二十個の花の装飾が隙間なく取り囲んでいる。これらはすべて愛の勝利をたたえる文様である。
神殿の中央には愛の神キューピッドの姿があり、ヘラクレスの棍棒から弓を削り出している。足元にはヘラクレスの象徴であるライオンが置かれている。強大な武力でさえ、最後には愛の力の前にひざまずく――この彫刻はそう静かに語りかけている。
マリー・アントワネットがここで愛を謳っていた頃、宮殿の外では民衆が飢えに苦しんでいた。それでも彼女はこの神殿だけでは飽き足らず、自分だけの理想郷をまるごと作り上げてしまう。
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