パリ · 宮殿・各室
幼き王ルイ14世と摂政の時代
ヴェルサイユ宮殿 · パリ, フランス
ルイ・フィリップがヴェルサイユ宮殿をフランス史博物館へと改装した際、かつて貴族たちが暮らしていたこの一帯の部屋は、ルイ14世の生涯を伝える展示室「ルイ14世の間」へと生まれ変わった。最初の部屋には少年時代のルイ14世とその家族を描いた絵画が並び、白馬にまたがる幼き王の姿もそのひとつである。
ルイ14世の幼年期は激動そのものだった。父ルイ13世が早くに世を去ったため、彼は4歳になる前に王位を継ぐこととなり、続いて三十年戦争や貴族の反乱「フロンドの乱」が勃発する。幼い子どもがこの混乱を一人で収拾することなど到底不可能であり、母アンヌ・ドートリッシュが摂政となって実質的な統治を担った。
部屋の正面には、アンヌ・ドートリッシュの摂政を描いた寓意画が掛けられている。天使が王太后に栄光を象徴する月桂冠を授け、その上では名声の女神がトランペットを吹き鳴らし、傍らの幼子が平和を象徴するオリーブの枝を手にしている。当時の王室は、直接的な描写よりも、こうした抽象的な概念を人物や事物になぞらえる寓意的表現を好んで用いた。こうした絵画を通じて王太后の統治を平和・正義・勝利といった美徳と結びつけ、摂政の正当性とその英雄的な姿を人々に印象づけたのである。こうした寓意画に囲まれて育ったルイ14世もまた、のちに自らを太陽王として演出する際、寓意という手法を積極的に活用していくことになる。
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