パリ · 宮殿・各室
1792年の間 - ヴァルミーの戦い
ヴェルサイユ宮殿 · パリ, フランス
1792年の間は、フランス革命後に王政が崩壊し、共和政が樹立された年を記念する空間である。部屋の両端上部には巨大な絵画が掛けられており、入口側にある絵はヴァルミーの戦いを描いている。フランス革命後の1792年9月、プロイセンとオーストリアが大軍を率いてフランスに侵攻した。自国の民衆もフランス市民のように王政に逆らうのではないかと恐れたためである。この侵攻に対し、正式な訓練も受けていないフランス市民が急いで集まり、ヴァルミーへと向かった。当時のフランス軍は満足な訓練を受けていない市民兵が中心であったのに対し、相手はヨーロッパ最強とされたプロイセンの精鋭兵であった。誰もがフランスの敗北を予想したが、フランス市民は怯えて逃げる代わりに「国家万歳」を叫びながら戦い、その勢いに圧倒されたプロイセン軍はついに撤退した。王の命令に従う傭兵ではなく、自らの国家のために自ら戦う市民が歴史の主役として登場した、最初の近代的な戦闘と評価されている。
同時にフランス国内では、国王ルイ16世が敵国と内通しているのではという疑念が頂点に達していた。国王が裏切ったと信じたパリの民衆は、ついにルイ16世の王権を剥奪し、タンプル塔に幽閉した。千年以上続いた王政が崩壊する瞬間であった。その後、共和国が宣言され、現代フランス民主主義の根がここから芽生え始めた。ルイ14世の絶対王権が宿るヴェルサイユ宮殿のただ中に、まさにその王政を崩壊させる発端となったヴァルミーの戦いの絵が掛けられているという事実は、歴史の皮肉として映る。
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