パリ · 彫刻
死ぬまで完成させられなかった、未展示作『アリアーヌ』
ロダン美術館 · パリ, フランス
この彫刻は『アリアーヌ』だ。もともと小さなサイズで作られていたこの作品は、1905年のサロン展に出品された際、妻を亡くしたある紳士の目を引いた。彼はモンパルナス墓地にある妻の墓碑をこの彫刻で作ってほしいとロダンに依頼した。
小さな彫刻を拡大して大きく作る作業を数多くこなしてきたロダンは、依頼を受けるとすぐに制作に取りかかった。ところが大理石のサイズの見積もりを誤ったのか、一つの大理石ブロックの中で作品全体を完成させることができない状況に陥る。様々な方法を模索したが、はっきりとした解決策は見つからなかった。依頼主はこの状態の彫刻でも十分だと言ったが、自分の成果物に満足できなかったロダンは、結局この彫刻を引き渡せないまま未完成のまま残した。そして世を去るまで、それ以上手を加えることなくアトリエにそのまま置いていた。
作品を見ると、頭部が未完成のまま残っており、腕や脚の部分にも作りかけのような粗さがそのまま表れている。一方で完成度高く仕上げられた部分もあり、それが腹部と背中だ。特にこの彫刻は腹部よりも背中の表現が優れていると言われているが、残念ながら正面からしか展示されていないため、後ろ姿を直接確認することはできない。口頭で説明すると、この彫刻の背中は、長年農作業をしてきた女性のように引き締まった背筋を持つ姿で彫られているという。
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