パリの劇場と公演 · 16/16

パリ · 街歩き

パリジャンのようにパリの観劇旅を楽しむ

パリ · パリ, フランス

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パリの観劇旅を締めくくるにあたり、旅をより豊かに、より安全に楽しむためのヒントをお届けします。素敵な劇場や忘れられない作品、そして作品ゆかりの特別な場所をめぐりながら、パリの芸術的な息づかいを感じていただけたなら幸いです。

まずは、事前の準備から。パリは舞台芸術がとても盛んで、人気の作品はすぐに完売します。観たい公演があれば、早めに予約しておきましょう。劇場には少し余裕をもって到着し、建築をじっくり眺めるのもおすすめです。開演前にそうしたディテールを味わうのも、観劇旅の醍醐味のひとつです。

次は、地元の人のように楽しむこと。パリに来る前から治安を心配して、どんなバッグを持つか、バッグの鍵は何個用意するかまで悩む人は少なくありません。大切なのは、備えを増やすことよりも、この街を自信をもって歩く姿勢です。緊張した面持ちで、鍵だらけのリュックを前に抱えて歩く姿は、誰が見ても観光客そのもの。逆に、エコバッグをひとつ肩にかけて悠々と歩く姿のほうがずっと自然で、目立ちにくいものです。パリジャンになったつもりで堂々と街を楽しむ心構えが何より大切です。とはいえ、ここの文化や言葉に慣れない外から来た人間であることも忘れず、常に気を配りましょう。公演は夜に行われることが多いので、移動経路や治安についても考えておく必要があります。パリは20の区に分かれており、特に18区、19区、20区の一部のエリアは、治安がやや不安定なことがあります。もちろんすべてのエリアが危険というわけではなく、通りによって状況は異なるので、宿泊先と劇場を結ぶ道のりを事前に確認しておくと安心です。筆者は、地下鉄の駅から遠すぎない劇場なら、エリアを問わず一人でも出かけています。また、冬は午後4〜5時には日が暮れます。暗い道が怖くて不慣れに感じ、「行こうか、やめようか」と迷うときは、行かないほうが正解です。安全が何より大切です。

最後は、宝探しをするように旅すること。パリはそのものが、息づく歴史であり文化です。劇場へ向かう道も、観劇のあとの帰り道も、ゆっくり周りを眺めてみてください。たとえば『レ・ミゼラブル』の作者ヴィクトル・ユゴーは、パリで多くの時間を過ごしました。住まいも、足しげく通ったカフェも、永眠の地も、すべてこの街にあります。ユゴーのかつての住居のひとつは現在博物館として公開されていて、常設展示は無料なので気軽に訪れられます。もうひとつおすすめを挙げるなら、ペール・ラシェーズ墓地です。「フランスのシェイクスピア」と称されるモリエールや、フランスの伝説的な歌手エディット・ピアフといった偉大な芸術家たちが眠る場所で、彼らの人生と芸術をたたえ、穏やかに整えられた美しい場所です。天気のよい日には、静かに彼らの遺したものを感じながら散策するのにぴったりです。

フランスの演出家・俳優ジャン・ヴィラールはこう語りました。「劇場は、パンやワインのように、生きるうえで欠かせない糧である」。みなさんのパリ観劇旅が、心と魂を豊かに満たす充実した体験になりますように。

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