パリの教会めぐり · 11/33

パリ · 建築

奇跡のメダイユの聖母礼拝堂

パリ · パリ, フランス

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**外観**

半円形の扉と、半円アーチの中に彫像がある建物が見えたら、正解です。百貨店が終わったすぐ隣の建物なので、確認の必要もないほどです。先ほど見たサン・ヴァンサン・ド・ポール礼拝堂とどこか雰囲気が似ています。飾りもなく、特別なものもなく、とにかくシンプル。扉の上の彫像がなければ、ごく普通の建物にしか見えません。そのため、入口を見逃す人も多いのだとか。サン・ヴァンサン・ド・ポール礼拝堂と同じく、修道院の付属建物の奥に建てられた礼拝堂で、折衷主義の様式を見せています。

扉の上の彫像は、幼子イエスを抱く聖母子像です。礼拝堂の中にある「奇跡の聖母」と見比べてみてください。

**奇跡のメダイユ**

入口の左側にある銘板をご覧ください。教会の名前の上にある2枚のコインが、奇跡のメダイユです。表面には、地球の上に立つ聖母マリアが刻まれ、足元には原罪を表す蛇がいて、手からは光が放たれています。楕円形に刻まれた文字は「原罪なくして宿り給いし聖マリアよ、御身に依り頼むわたしたちのためにお祈りください」。

裏面には、イエスを表す十字架と聖母マリアを表すMが組み合わさっています。これは、聖母マリアがイエスの救いのわざに特別にあずかることを意味します。その下には、いばらの冠に囲まれたハート形のイエスの聖心と、剣に貫かれた聖母マリアの聖心があります。楕円を囲む12個の星は、十二使徒と教会を表しています。

**中庭**

アーチの門をくぐって中庭に入ると、正面に今日の主役の礼拝堂があります。周囲の建物は、聖ヴァンサン・ド・ポールが設立した慈善事業に関わる施設です。中庭の両側に彫像が1体ずつあります。右側の司祭は、ここまで何度も登場してきた聖ヴァンサン・ド・ポール。向かいの修道女は、ヴァンサン・ド・ポールとともに愛徳姉妹会をつくり、育てた聖ルイーズ・ド・マリヤックです。

正面のレリーフは、修道女見習いだった聖カタリナ・ラブレが祈っているとき、聖母マリアが現れてメダルをつくるよう使命を授けた、まさにその瞬間を表しています。奇跡のメダイユは、パリでコレラが猛威を振るった時期に広まり、メダルを持つ人々のあいだで癒やしや回心の事例が相次いだことから、「奇跡のメダイユ」と呼ばれるようになりました。世界各地からの巡礼者も多く見かけます。とくに、教会よりも中庭の右側にある聖品店のほうがずっとにぎわっています。

**聖母出現の祭壇**

ひと目で見渡せる小さな空間ですが、見どころがぎっしり詰まった場所です。時間に余裕があれば、内部も見学することをおすすめします。

正面にあるのは、聖母マリアが現れた場所に建てられた祭壇です。十字架のある一般的な祭壇とは異なり、両腕を広げた聖母マリアの出現の姿が立っています。先ほど見たメダイユの聖母マリアと同じ姿です。聖母の背後には、金色のアーチと四方に広がる後光が描かれています。癒やしで知られる教会らしく、内部はとても明るく輝いています。祭壇の右には、聖母出現を目撃した聖カタリナ・ラブレの遺体が安置されています。左には、子どもを抱く像があり、その下に百合が置かれた聖ヨセフの祭壇があります。

**聖ルイーズ・ド・マリヤックの遺体と聖ヴァンサン・ド・ポール礼拝所**

祭壇の左の壁面には、ヴァンサン・ド・ポールとともに愛徳姉妹会をつくった聖ルイーズ・ド・マリヤックの遺体があります。彼女は、修道会を社会活動へと導いた、社会福祉の先駆者でした。この修道会がなければ、奇跡のメダイユは今ごろなかったかもしれません。

反対側の祭壇の右には、聖ヴァンサン・ド・ポールの礼拝所があります。子どもたちと一緒にいる像が聖ヴァンサン・ド・ポールで、像の下のガラスの聖遺物箱には彼の心臓が納められています。遺骨はどこにあるか、覚えていますか。そう、先ほど訪れたサン・ヴァンサン・ド・ポール礼拝堂です。

最後に、祭壇の下にある椅子に注目しましょう。聖母出現の椅子と呼ばれるこの椅子は、聖母マリアが現れたとき2時間腰かけていたもので、聖カタリナ・ラブレがその足元にひざまずいて語り合ったといいます。その姿は、中庭正面のレリーフですでに見ました。思ったよりも普通の椅子で、拍子抜けするかもしれません。

**道案内**

次は、隣のル・ボン・マルシェ百貨店の食品館です。教会を背にして右を向くと、ここへ来る途中に通り過ぎた、まさにその場所です。ル・ボン・マルシェの建物は2つあるため、地図アプリではラ・グランド・エピスリー・ド・パリ(La Grande Épicerie de Paris)で検索すると便利です。

百貨店の次の目的地であるパリ外国宣教会の礼拝堂、さらにその次のサン・トマ・ダキャン教会までは10分ほどかかります。歩くのがつらい方は、パリ外国宣教会の礼拝堂と百貨店の順番を入れ替えて、地下鉄やバスを利用することもできます。ただ、歩いても10分、乗っても10分とのこと。待ち時間やホームの上り下りを考えると、歩くのがおすすめです。詳しくは、画面の写真とスクリプト下部の[もっと知る]をご覧ください。

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写真は ウィキメディア・コモンズ より。撮影:Mbzt、Guilhem Vellut、Diliff(CC BY-SA 3.0 / CC BY 2.0)。