パリ · 建築
オペラ広場から眺める正面ファサード
オペラ・ガルニエ · パリ, フランス
オペラ広場は、このツアーの最初の場所です。まずは、正面に見えるファサードをご覧ください。正面ファサードには、新古典主義とロマン主義が融合した姿が表れています。写真でフリーズ、ロッジア、コリント式の柱と示されている部分が、新古典主義様式で造られた箇所です。
屋根の上にはアポロン像があります。正面のファサードに隠れて、角度によっては見えにくいこともあるので、少し離れたり、立つ位置を変えたりしながら探してみてください。月桂冠をかぶり、古代の弦楽器リラを手にしているのがアポロンです。ギリシャ神話のアポロンは太陽の神ですが、ここではリラを持っているため、音楽と詩の神を表しています。アポロンの両脇には、音楽のハーモニーと詩を象徴する金色の像が立っています。オペラは、音楽、詩、舞踊などが合わさった総合芸術です。そこでシャルル・ガルニエは、アポロンを劇場の装飾に多用しました。そのため、館内のあちこちでアポロンに出会えます。
屋根の下には、フリーズがあります。フリーズとは、古典建築で柱の上に帯状に設けられた部分を指す建築用語です。このフリーズには、オペラ・ガルニエの建設を命じたナポレオン3世とウジェニー皇后のイニシャル、NとEが横に並んで刻まれています。その下には、オペラ・ガルニエのかつての名称である「国立音楽アカデミー(Académie Nationale de Musique)」の文字があり、さらにその下には、ベートーヴェンやモーツァルトといった著名な作曲家の胸像が、年代順に並んでいます。
最後に、ロマン主義の彫刻家ジャン=バティスト・カルポーの彫刻『ダンス』を見てみましょう。ガルニエは、ローマ大賞を受賞した彫刻家4人に4体の彫刻を依頼し、カルポーの『ダンス』はそのうちの1つです。タンバリンを持った酒の神バッカスと、その侍女であるバッカイたちが踊る姿が表現されており、ロマン主義らしく非常に躍動的です。ところが当時は、多くの人がこの裸体像を、扇情的で見苦しいと非難したといいます。彫刻にインクをかけられたことまであり、そのインクの跡は原作に残っています。つまり、今ここにあるのはレプリカで、原作はオルセー美術館に展示されています。オルセー美術館へ行かれる方は、インクの跡が残る本物もぜひご覧ください。
それでは、オペラ・ガルニエの入口を探しましょう。建物の一番下にある扉は、公演があるときに観客が入る扉です。私たちは公演ではなく館内見学が目的なので、正面の扉ではなく、正面に向かって左へまっすぐ進んだ先にある別の扉から入ります。公演を観ないから裏口から入れというのか、と思われるかもしれませんが、正面の扉はもともと、定期会員権を持たない一般の観客のための入口でした。私たちが入る扉は、かつて上流階級のための入口だったので、むしろより格上の扉から入ることになります。
それでは、正面ファサードの左にある入口へ向かいます。次のトラックの動画を参考に移動してください。