パリ · 絵画
ユトリロ《サン=ピエール教会》
オランジュリー美術館 · パリ, フランス
この作品は、モーリス・ユトリロが描いたモンマルトルのサン=ピエール教会です。モンマルトルの画家と呼ばれるほど、彼はこの街をこよなく愛して描き続けましたが、この絵に登場するサン=ピエール教会もまたモンマルトルにある教会です。
正面に見える建物がサン=ピエール教会で、その奥にドームと鐘塔がわずかにのぞいています。一見この教会の一部のようにも見えますが、実はこのドームと鐘塔は、モンマルトルの頂にあるサクレ・クール寺院です。ユトリロはあえて二つの建物が一つに見えるよう構図を組んでおり、そのため通常は高く壮大に描かれがちなサクレ・クールが、この絵ではサン=ピエール教会と同じ高さに置かれ、独特の印象を与えています。
さらにユトリロは、この絵を描く際、壁の古びた質感を表現するために絵具に糊と石膏の粉を混ぜて使いました。キャンバスに絵具を塗る際にも、建設現場で石膏を塗るように、ナイフを使って塗ったと伝えられています。彼は白の時代の頃から絵に石膏をよく用いており、一時は石膏だけで絵を完成させたいと考えていたものの、乾く際にひび割れることが多く、常に頭を悩ませていたといいます。
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